■総評
・独特の世界観が魅力的
・現時点で最高峰のグラフィック
・意外とアクションが地味で単調になりがち
・システム面でイライラさせられる事が多い
・ストーリー主導で自由度が低く、出来る事が少ない
■全体の感想
正直に言って、悪い所が目立つゲームだった。
褒められるのは世界観とグラフィックぐらい。
■アクション部分の感想
肝心のアクションがあまり面白くないのが致命的。
機械型のモンスターよりも対人間のステルスアクションが多く、
「それならメタルギアやアサシンクリードをやった方が断然面白い」
と思ってしまう。
機械型モンスターにしても、
強力なマシンに限って簡単に勝てるというバランスの悪さ。
・左右に転がって攻撃を避けつつ、弱点への攻撃を繰り返す
・装備している重火器を部位破壊で落として奪い、それを使って攻撃する
だけで簡単に勝ててしまう。
そして基本的には多数のマシンを同時に相手にする事が多くなるが、
真正面からやり合って勝つ事はほぼ不可能なので、
ステルスアクションで地味に1匹ずつ倒していく事になる。
とにかく爽快感に欠ける地味なゲームという印象だった。
戦闘システム自体は良く出来ているのに、
バランスの悪さとレベルデザインが悪すぎて台無し。
■オープンワールド部分の感想
オープンワールド要素はかなり酷い出来で、
数有るオープンワールド作品の中でも最低レベルだと感じた。
・ミニマップが無いので、度々メニュー画面を開く必要がある
・マップが狭い、狭い上に行っても意味の無い箇所が大半
・登れそうで登れない箇所が多く無駄に遠回りさせられる事が度々有る
・アイテム所持数が少なすぎる。最大まで所持数を拡張しても度々溢れてしまう。
(重量制ではなく単純に所持数で決まるので、戦略性も何も無い。)
そもそもストーリーを追うのがメインで自由度もあまり無いので、
オープンワールド要素はただ面倒臭さを増しているだけだと感じた。
■他、不満点
・設置した罠の回収
・武器防具にセットした強化アイテムの再利用
・ロープの上を移動中に武器を使う
・口笛を吹いて敵をおびき寄せる
・ぶら下がった状態で敵を攻撃する
といった行動が、スキルを開放しないと使用できない。
同ジャンルの他のゲームでは出来て当たり前の事を制限し、
レベルアップによる成長要素にしているので、
遊んでいて酷く窮屈さを感じてイライラしてしまう。
アクション要素とRPG要素が全く噛み合っていないという印象。
また、個人的にゲームで一番嫌いな展開が有った。
「頑張って戦闘に勝利したのに、
ストーリーの都合上その後のイベントシーンで負けた事になる」
という物だ。
これをやられてしまうと、
「ああ、自分がいくら頑張ってプレイしても、
結局は製作者の都合でしかゲームが進まないんだな」
と思い、気持ちが萎えてしまう。
最初から負けイベントにするか、
見るだけのイベントシーンにするかにして欲しい。
この展開が終盤盛り上がる所で有ったため、
元々低かったこのゲームへの評価がどん底まで落ちた。
■ストーリーの感想
ストーリーもSF物としては有りがちな内容で、
先の展開が読めて特に面白みは無し。
そして終盤で新たに重要な謎が提示され、
その謎は明かされる事無く「続編へ続く!」で終わるのでモヤモヤする。
しかも、やたらと嫌味で好感度の低いキャラクターばかり出てくるので、
会話を聞いていてイライラする事が非常に多い。
主人公にしても独善的で自分勝手な印象が強く、
魅力的なキャラクターが一切居ない。
また、会話の際に選択肢を選ぶ要素も有るのだが、
どれを選んでも特に分岐要素が無い。
「どちらの言い分を取るか迷うなぁ」
といった展開に限って選択肢すら用意されていないので、
会話で選択肢を選ぶシステムを採用している意味が無い。
■改めて全体の感想
色々な要素を詰め込もとして、
結局何もかもが中途半端になってしまったという印象。
シリーズ1作目なのだし、色々やろうとせずに、
ストーリーの分岐を増やして話の展開を重視するか、
アクションをもっと作り込んでアクション要素を重視する等、
割り切った判断をするべきだったと思う。
とにかく遊んでいて窮屈さを感じる事が多いゲームだった。
戦闘システムなど基本的な部分は良く出来ているので、
次回作では凄く面白くなる可能性があると思うものの、
かなりガッカリしてしまったので恐らく次回作が出ても買わないと思う。
ゲリラゲームズはキルゾーンシリーズでもそうだったが、
グラフィックは世界最高レベルなのに肝心のゲーム部分がイマイチ。
グラフィックの技術だけ提供して、
ゲーム部分は他の会社と協力して作った方が良いのでは?と思ってしまう。