↓の商品の本編ではなく、
撮り下ろしの押井守インタビューで印象的だった部分の感想。
凄く面白い内容だったので、
押井守ファンなら購入するのをオススメ。
安いし。
■(攻殻の作成において)神道、見立てが重要だった
これを聞いて、実写版がどうにもピンとこなかった理由が分かった気がする。
実写版は表面的なビジュアルを模倣しただけなので違和感が有ったんだと思う。
日本人が日本で作ったからこそ出来上がった雰囲気だった訳で、
ハリウッド化するなら大胆にアレンジした方が良かったと思う。
(というか、それをやったのが「マトリックス」なんだろうけど。)
■実写版の撮影現場に行った際に見たラッシュは凄く良かった
ラッシュ(未編集の撮影したままの状態の素材)は凄く良かったらしい。
けど完成した映画のビジュアルはイマイチだったので、
CGや合成のセンス、編集のクオリティがイマイチだったんだろうなと思った。
押井守も「(宣伝用の)トレーラー見たけどアレは駄目だ」という事を言っていた。
■スカーレット(・ヨハンソン)は凄く鍛えててムキムキだった
多分、鍛えすぎで女子プロレスラーみたいな体型になってたのが、
見栄えが悪かった原因なんだろうなと思った。
確かにアニメの少佐もマッチョなんだけど細マッチョであって、
スカーレット・ヨハンソンは洗練された義体には見えなかった……。
■2作目は1作目との勝負で、監督の色が強く出る
この発言は凄く面白かった。
押井守作品の2作目というと、
ビューティフルドリーマー、パト2、イノセンスと、
「面白いけど、この内容をそのシリーズでやる必要あるか?」
と言うものばかり。
でも、それは意図してやってきた事であって、
だからこそビューティフルドリーマーやパト2は
強烈に記憶に残り長い間語られる傑作になったんだろうなと。
イノセンスに関しては、
押井守自身幽霊のように生きていた時期に作ったので、
「分かる人にはすぐ分かる、分からない人には一生分からない」
作品になっているとの事。
(そもそも映画なんてそんな物、とも言っていた。)
■その他
「スカイ・クロラ」は原作の雰囲気を上手くアニメ化してたと思うので
森博嗣ファンとしては凄く楽しめた。
森博嗣が今やっているWシリーズがSF作品で、
ウォーカロンという「ほとんど人間との違いがない、人工細胞で作られた生命体」
が一般的になっている世界観。
これも「じゃあ人間とウォーカロンの違いってなんだろうね」
といった点が重要なポイントになっていて、
森博嗣独特の淡々とした作風とSF感が合わさって凄く良い。
今回、DVDブックで押井守のインタビューを見て、
是非とも押井守にWシリーズを映像化して欲しいと思った。
スカイ・クロラは興行的にも評判的にもイマイチだったので、
現実出来ではないだろうけど……。