アニメーション映画「GODZILLA:怪獣惑星」が11月17日に公開されるが、
その前日譚として、小説「GODZILLA:怪獣黙示録」が発売されている。
これが非常に面白く、
ゴジラファンでもそうでない人にもお勧めしたいし、
もっと宣伝すべき作品だろう!
と思ったので、少しでも読む人が増えるように本記事を作成。
小説というより報告書に近く、
「ワールド・ウォー・Z」のゴジラ版と言えるような作品だ。
(ここでいうWWZは映画版ではなく、原作である小説版。)
シン・ゴジラは「もしもゴジラが日本に現れたら」というシミュレーション的な要素が強かったが、
それを世界規模に拡大したような作り。
歴代ゴジラシリーズの怪獣が次々と現れ、
更にそれらを上回るゴジラという圧倒的な存在により、
人類文明が崩壊していく様子が描かれている。
直接は登場しなくても存在を匂わせるだけの怪獣が居たり、
ゴジラシリーズでお馴染みの兵器や船名が多数登場したりと、
ニヤリとさせる演出が多数有る。
とにかく登場する怪獣の数が多く、それらに対するリアルな描写が濃密。
ゴジラファンであれば間違いなく必読だ。
ダンケルク港からの脱出やノルマンディー上陸作戦など、
人類が過去に経験した戦争をモチーフにしたシーンが有るのも熱い。
「ゴジラ=神」というような描写はこれまでの作品にも有ったが、
「宗教、信仰がゴジラを通してどう人類に影響を及ぼすのか?」
という従来よりも一歩踏み込んだ内容が有ったのも興味深い。
公開前なので断言は出来ないが、
この作品を読んでおくかどうかで、
「GODZILLA:怪獣惑星」を観る際の感情移入の度合いが大きく変わると思われる。
そうでなくとも、
人類が怪獣に敗北する様子を描いた一つの作品としても完成度が高いと感じた。
戦争(架空戦記)、パニック、怪獣、SF、群像劇、
どれかが好きであれば楽しめると思う。
また、僕もそうだが、この作風は、
村上龍の小説が好きな人であればかなりハマるはずだ。