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【映画感想】グレイテスト・ショーマン【ネタバレ無し】

■総評(GOOD)

・音楽も映像もそれぞれ素晴らしく、またその二つが融合した演出が最高

・アクション映画を見ているような迫力

ヒュー・ジャックマンをたっぷり堪能できる

 

■総評(BAD)

ヒュー・ジャックマン以外のキャラクターの描写が少なくあまり魅力がない

・ストーリーやドラマ性には見どころなし

 

 

最高の音楽と映像

IMAXシアターで鑑賞。

 

ミュージカル系の作品なので音が重要なのは勿論、

アクション映画を見ているような迫力ある映像の連続で、

IMAXに観に来て良かった!と心から思えた。

 

捨て曲無しのアルバムを聞いているような満足感と、

凝った映像を合わせるタイミングの良さが非常に気持ち良い。

 

オープニングを見た時点で「これは傑作だ!」と確信。

映像と音楽のタイミングが完璧で鳥肌が立った。

 

ミュージカルシーンが終わる度に思わず拍手したくなる程だった。

 

これはアクション映画だ!

個人的にミュージカル系の作品は苦手なのだが、

この映画はジャッキー・チェン作品ように工夫を凝らした演出が面白く、

アクション映画を見ているようなテンションで楽しめたのが良かった。

 

特に、バーで脚本家を口説くシーンが最高。

普通なら会話が続くだけで退屈になりそうな所を、

あれだけ盛り上がるシーンにしたのは天才的だと思う。

 

グレイテスト・ショーマンってどんな映画?と聞かれたら、

「ミュージカル風アクション映画だよ!」と答える事にしたい。

 

また、ラ・ラ・ランドでもそうだったが、

突如歌って踊りだすミュージカル作品を皮肉るような演出が有るのが面白い。

 

キャラクターやストーリー、ドラマ性はイマイチ

体感型の映画としては最高だが、

ストーリーやドラマ性、キャラクターは見どころがなかった。

 

その辺りを期待して鑑賞するとガッカリしてしまうかも知れない。

 

史実がそうなので仕方ないとは思うが、

主人公が詐欺師同然(というか船の登録書の辺りは完全に詐欺)なので、

あまり好感を持てないのがちょっと見ていてつらかった。

 

また、ヒュー・ジャックマンをたっぷり堪能できるのは良いのだが、

サーカスの個性豊かなメンバーの描写が薄いのが残念。

 

脚本家(監督代理?)の恋愛模様が凄くどうでもよかったので、

その分他のメンバーを描くか、

いっその事そこもヒュー・ジャックマンの出番にするくらいの割り切りを見せて欲しかった。

 

評論家からの低評価と、観客からの高評価

映画鑑賞後、ネットで色々な記事を見ていた所、

本作は本国で評論家から低い評価をされ、前評判は悪かったようだ。

 

が、公開後観客の口コミでジワジワと人気が広がり時間差で大ヒットする、

という異例の動きを見せたそうだ。

 

この現実での動きが映画の内容

(主人公バーナムは評論家から厳しく批判されるが、観客からは高い評価を受ける)

とリンクしているのが非常に面白い。

 

確かにストーリーやキャラクターは弱いし、

なにより劇中で出てくる評論家の描き方が『評論家の心象を悪くする』ような物で、

評論家受けはしなさそうな映画だったな……と思う。

 

しかし、評論家の低評価を覆し、

音楽と映像の素晴らしさ、見世物としての面白さで観客の心を掴んだ。

 

主人公P・T・バーナムの偉業を、

この映画が見事に現代で再現したのではないだろうか。

 

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