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【映画感想】パシフィック・リム:アップライジング【ネタバレ無し】

■総評(GOOD)

・明るい場所での戦いが多く見やすい

・ド迫力のバトルを存分に楽しめる

・イェーガー同士のバトルが熱い

 

■総評(BAD)

・ロボット、怪獣の重厚感が無くなった

・音楽の印象が薄い

・主人公以外のキャラクターの印象が薄い

 

 

 

良くも悪くも前作とは別物

1時間50分の上映時間があっという間に過ぎ去ったと感じる程に楽しめたが、

しかし、これをパシフィック・リムと言って良いのか?とも思ってしまった。

 

重厚感溢れる描写や、個性豊かで油臭さを感じるロボット、胸が熱くなる音楽など、

前作で特徴的だった部分はことごとく消え去っている。

 

しかし、

それ故につまらなかったのかと言われると、決してそんな事は無い。

 

暗くて見づらいシーンが多かった前作から一転して

明るい場所での戦闘シーンがメインだったのは良かったし、

スピーディでスタイリッシュなアクションも楽しめた。

 

イェーガー同士の戦いは最高に熱かったし、

東京決戦でビルをガンガン破壊しまくるのは非常に気持ち良かった。

(東京のすぐ側に有る富士山、中国にしか見えない街並み等はもう許す事にする。)

 

今回はロボットアニメの実写化

前作は『昭和特撮映画のハリウッド化』だったが、

今作は『平成ロボットアニメのハリウッド化』という印象だ。

 

どちらも一長一短で好みが分かれる所だとは思うが、

前作の溜めの演出見得を切るような動作が無くなったのはやはり残念。

 

しかし、同じ方向性の演出をしてはデル・トロに敵わないのは間違いないので、

この判断で正しかっただろうし、

デル・トロの作風は人を選ぶので今作の方が多くの人に受けると思う。

 

……というか、ハッキリ言って、今作の中盤までは実写版エヴァンゲリオンだった

 

音楽とキャラクターの薄さは非常に不満

という事で前作とは別物と思ってみれば楽しめたが、

音楽とキャラクターの薄さは非常に不満だった。

 

まず、音楽に関して。

前作は見終わった後『サントラ欲しい!』と思う程に良かった。

今でも度々サントラを聞いているくらいに好きだ。

 

しかし、今回は音楽が全く印象に残らない。

音楽自体が良くないという事も有るだろうし、映像に合わせた演出もイマイチ。

 

メインテーマがかかった時は一瞬テンションが上ったが、

本当に一瞬だけであまり上手い使い方ではなかった。

 

そしてキャラクターの薄さ。

これはパイロットもロボットも、両方印象が薄い。

 

今作ではパイロットの描写がほとんど無いし、

ロボットのデザインも均一化されており武器の違いくらいしか感じない。

 

今作は今作で好きだが、

音楽とキャラクターの2点に関しては明らかに前作に劣るし、

そのせいで作品の評価を大きく落としていると思う。

 

 

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