椅子と椅子の間から観る

映画の感想・解説やゲームの話

【映画感想】GODZILLA:決戦機動増殖都市【ネタバレ無し】

■総評(GOOD)

ゴジラを中心とした世界観と設定が非常に面白い

・ストーリーが良く、ドラマ性が高い

・キャラクターが魅力的(特にモスラの双子がすごく可愛い)

・新機体ヴァルチャーが最高に格好良い

 

■総評(BAD)

・怪獣映画としてみると肩透かし

・一本の映画としてみるとまとまりがない

 

 

SF映画としてのゴジラ

とにかく世界観と設定が面白い。

虚淵玄は本当に天才だな、と改めて思わされる。

 

地球の支配者として君臨するゴジラ

それを元に変化した地球の環境、

それらに抵抗するように変化した地球人類。

 

高い技術力を基盤に効率性だけ求めるビルサルド、

独自の宗教を元に思想を広めるエクシフという、

それぞれ全く異なる歴史・文化・考え方を持った宇宙人。

 

そしてゴジラに奪われた地球を取り戻そうとあがく地球人。

 

あらゆる要素が絡み合い、連鎖し、

息をつかせぬ展開が連続していくのが非常に楽しかった。

 

魅力的なキャラクター

1作目では舞台装置にしか感じられなかった登場人物達も、

本作では個性豊かで非常に魅力的だった。

 

本作は人間ドラマが特徴と1作目が公開される際に宣伝されていたが、

成る程確かにその通りだ、2作目を見て思った。

 

特に、モスラの双子の女の子が凄く可愛い。

表情が細かく、独特のデザインや設定も相まって、

際立った魅力を放つキャラクターになっていた。

 

他のキャラクターに比べて、

モスラの双子だけ異様に3DCGのモデリングにこだわっていて、

セル画と遜色ないクオリティに仕上がっていたように感じるので、

スタッフも相当気合を入れたんだろうなと思う。

 

3作目ではこの双子の女の子のさらなる活躍に期待したい。

 

また、新機体ヴァルチャーが最っっ高に格好良かった。

そこらのロボアニメ顔負けのデザインとアクションを楽しめる。

ポリゴンピクチュアズシドニアの騎士で培ったノウハウが存分に発揮されている。

 

怪獣・アクション映画としての不満

新たなゴジラ映画としては満足できたが、

怪獣映画としての期待値を考えると、正直に言ってガッカリした。

 

アクションの内容が前作と代わり映えせず、

ヴァルチャーの戦闘で使い回しの絵が目立ったのも非常に残念。

 

元々はTVシリーズを予定していた作品であり、

全三部作なので最終作を見ないと最終的な判断は出来ないが、

現時点では「物足りない、惜しい」と思ってしまう。

 

物語のスケールに対して予算が足りていないのでは?という印象だ。

 

マルチメディア展開の功罪

アニメゴジラのシリーズは前日譚となる小説版が2作出ており、

これが非常に重要な立ち位置になっている。

 

本サイトでもそれぞれレビューをしているので、以下を参考にして欲しい。

 

怪獣惑星を観る前に読んでおこう『ゴジラ 怪獣黙示録』 - 椅子と椅子の間から観る

【ネタバレ有/無両方】GODZILLA/プロジェクト・メカゴジラ【感想】 - 椅子と椅子の間から観る

 

小説と映画両方を楽しんでいる身としては上手いやり方だと思うが、

映画だけを見ていると納得できない箇所が複数出てくるだろうなとも思う。

 

特に、本作ではビルサルドの思想が重要なポイントになっているのだが、

その背景が映画ではほぼ語られていないのは問題だ。

 

また、小説版を読んで高まった期待値に対して、

映画二作目がハードルを乗り越えてくれたかと言うと、

答えは「否である」となってしまう。

 

小説版の存在によるメリット・デメリットはそれぞれ大きいが、

映画3作目が「小説・映画全部まとめて最高の作品」と言えるような内容になっている事を期待したい。

 

 

 

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ