■総評（GOOD）
・MCUシリーズファンが熱くなれる演出がたっぷり
・スパイダーマンシリーズ好きがニヤリと出来るサプライズも有り
・見応え抜群のアクションシーン
■総評（BAD)
・「スパイダーマン」という単体作品としての面白さではなく、
（良くも悪くも）マーベル・シネマティック・ユニバースの作品という色合いが強い
これはスパイダーマンであり、アイアンマン4である
MCUフェイズ3の最終作品に相応しい、素晴らしい映画だった。
全てはミステリオによる自作自演のフェイクであり、
「トニー・スタークに恨みを持つ者達による犯行」であるというトリック。
このストーリーは実質的に「アイアンマン4」で有ると言っても良いだろう。
アイアンマンシリーズは毎回、
トニーに恨みや嫉妬を持つ者がヴィランとなっていたからだ。
そして、今回はトニー亡き後、
その意思を受け継ぐスパイダーマン（ピーター・パーカー）が事態を収めたのだ。
一度ミステリオに敗北した後、
新スーツを作るシーンでハッピー・ホーガンがAC/DCのBack In Blackを流したのが、
この映画が「スパイダーマンであり、アイアンマンである」事を象徴していたと思う。
※アイアンマン２ではAC/DCの楽曲が大々的に使用されていた
MCU作品として
サノスの指パッチンからの復活後の世界を描いた本作。
「指パッチン」が作中でも重要なミームになっているのには笑った。
一度は世界の半分の人間が消えたわけだが、
本作を見る限り、多少の混乱は有りつつも、みんな以前の生活に戻っているように見えた。
しかし、スパイダーマンは基本的に「親愛なる隣人」であり、
世界情勢を描くような作品ではないので、
その辺りの詳しい描写はフェーズ４に入ってから有るかもしれない。
ニック・フューリーがスクラル人（キャプテンマーベルに出ていたタロスという人物）に自分のふりをしてもらって、
自身は宇宙の何処かで何かしら大きな計画を動かしている様子が描かれていた事からも、
世界に大きな変化が有るのは間違いないだろう。
（しかしニック・フューリーは何かしら重要な目的が有って、
タロスにピーター・パーカーの事を任せていたのだろうが、
そいういう事するからピーターから嫌われるんだと思うぞ……！）
ところで、
予告編で「MCUにマルチバースの概念が取り入れられた！」と話題になっていたものの、
これはミステリオによるフェイクである事が分かったが……？
スパイダーマンとして
SONYに権利が戻るという事になっている。
実際、フェーズ４ではスパイダーマンの計画が存在していない。
しかし、本作のエンドロール後に、
（スパイダーマンを目の敵にする新聞編集者）を演じていたJ・K・シモンズが、
TVのキャスターとして登場するというサプライズが有った。
この世界でもJJJはスパイダーマンを嫌っているようで、
「スパイダーマンが正義のヒーローミステリオを殺し、その正体はピーター・パーカーである」
と報道してしまったのだ。
この衝撃的なラストで、
ファー・フロム・ホームの続編は無い、というのは考えられないだろう。
もしそうなったら、世界中のファンから批判が殺到して大炎上間違いなしだ。
となると、これは僕の勝手な予想だが、
SONYに権利が戻って作られるスパイダーマンでマルチバースの概念が取り入れられ、
ファー・フロム・ホームの続編としても機能する作品になるのではないだろうか？
実際、アニメのスパイダーバースでも、
トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドの
歴代実写映画版スパイダーマンを登場させるという構想は有ったそうだ。
そして「ミステリオのフェイクが現実となった」という事になる、と。
MJとの恋も始まったばかりで、
ここでMCUスパイダーマンが終わりというのは宙ぶらりんすぎる。
それに何より、
アイアンマンとキャップが居なくなったMCUを続けるには、
スパイディの存在なしでは考えられない。
MCUのフェーズ４も、スパイダーマンシリーズの今後も不透明な今の状況。
ファンとしてはモヤモヤしてしまうが、
アイアンマンからファー・フロム・ホームまで見事なシリーズを作り上げてくれた実績が有るわけで、
良い意味でファンの期待を裏切ってくれる計画が有ると信じたい所だ。
マルチバースの概念を取り入れて、アメスパも復活させて欲しい……！
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