■総評(GOOD)
・単体の作品として見ればドラマ性が高く面白い
・プロフェッサーとマグニートーの物語の終着点としては美しい
■総評(BAD)
・シリーズ最終作にしては内容が薄すぎる
・これまでの積み重ねが足りないので、カタルシスがない
・アクションが地味
単体の映画としてみれば中々楽しめる
20世紀FOXが手がけるX-MENシリーズの最終作である本作。
非常に評判が悪く身構えていたが、実際に見てみてみると、中々面白かった。
少なくとも、ファイナルディシジョンやアポカリプスよりは断然楽しめた。
予算が少なかったのかスーパーヒーロー映画としては地味であったが、
ジーンを中心にしたドラマは非常に良かった。
また、個人的にX-MEN:ファースト・ジェネレーションからのシリーズは、
プロフェッサーとマグニートーの物語だと思っている。
なので、今回でプロフェッサーも自分のやり方に間違いが有ったことを認め、
マグニートーと共にポーン(一兵士)として生きていく事を決めたラストは、
非常に綺麗な終わり方だったと思う。
シリーズ全体の問題点
ただ、やはり問題点の多い映画であるとは思う。
箇条書きにすると、
1:X-MENシリーズ最終作にしては余りにも地味すぎる
2:フューチャー&パストで一旦話をリセットしているので、積み重ねが足りない
3:先にローガンをやってしまっているので、更に蛇足に感じる
という所だろうか。
1はともかく、2・3に関してはこの映画そのものの問題ではなく、
シリーズ全体の舵取りを間違ってしまっているのが原因だと思う。
ファイナルディシジョンで滅茶苦茶になった物語を、
フューチャー&パストで歴史改変して強引に修正してきたのは良かったものの、
結局その展開を後に活かせなかったな、という印象。
アポカリプスも有ってもなくても良いような話だったし、
ローガンでもう「X-MEN最終章」という雰囲気だったし、
色々とやり方を失敗してしまったシリーズだなぁと思ってしまう。
先も言ったが「プロフェッサーとマグニートーの物語」としては良かったが、
「X-MEN」としては他キャラの掘り下げがあまりにも足りなかった。
今のジーンにそこまで思い入れがないので、
「暴走した結果、力の塊そのものになって宇宙をさまよう事になった」と言われても、
ふーん、そうなんだ、くらいにしか思えなかったのが残念。
今後、マーベルに権利が戻ったX-MENの映画がどう展開されていくか分からないが、
なんとか復活を遂げて欲しいと思う。