■総評(GOOD)
・こういうので良いんだよ、という王道展開
・なんとか上手くまとめて三部作を終えることが出来た
・ファンならニヤリと出来る要素が多数有る
■総評(BAD)
・内容を詰め込み過ぎで、ダイジェスト版を見ているかのよう
・どうしてもEP8の失敗がちらついてしまう
だいたいEP8が悪い
この作品を評価するにはネタバレ無しでは難しいので、ネタバレ有りで。
まず、端的に感想を言うと、「悪くなかったし、楽しめた」と思う。
余計な事をせず王道展開を描く事で素直に楽しめたし、
ファンならニヤリと出来る要素が多数あって良かった。
そして「悪いところはだいたいEP8のせい」であると感じた。
・レイは何者でもない→実はパルパティーンの孫でした
と、EP8の内容を無視してやり直している感じで、
一作でまとめるには情報量が多すぎて全体的に展開が駆け足な印象だった。
そもそも最初のあらすじで
「既にパルパティーンが復活して活動している」という事が語られている時点で、
相当に無理して話を進めているのが分かる。
EP8でパルパティーン復活とレイの正体を明かしレイが暗黒面に落ちるのでは?と臭わせ、
EP9でカイロ・レンの会心とパルパティーンへの逆襲を描く、くらいのペースが良かったと思う。
ローズは居ても居なくても良いモブキャラと化しているし、
本当に「EP8って要らなかったな」と思ってしまう。
もっとも、そこを言い出すと、
EP7~9でやったことは「復活したパルパティーンを倒した」という内容になるので、
そもそもこの3部作自体無くてもなんら問題なかったよね?と感じてしまうが……。
設定上仕方ないのだが、
ライトセーバーでのチャンバラがレイvsレンを何度も何度も繰り返すだけなので、
正直に言って完全に飽きていたし盛り上がりに欠けていたのも残念だった。
スター・ウォーズの今後
EP10以降の計画も有るようだが、どうなる事か。
今回でスカイウォーカー家の話は完全に終わったし、
レイ、フィン、ポーといったキャラクター達は過去作のキャラと比べて圧倒的に印象が薄い。
カイロ・レンはかなり良いキャラクターで好きだったが死んでしまった。
ローグ・ワンやハン・ソロといった外伝はそこそこ良かったが、
繋がりが薄くシリーズを盛り上げるには至らなかった。
これ以上続けるなら全く別の話にするしかないだろう。
が、そこまでしてシリーズを続けて追いかけてくれるファンが何処まで居るか……。
「それまでの話をなかった事にしてやり直す」という荒業を使えるが、
スターウォーズでそれをやってしまうと完全にファンが離れるだろう。
よほど上手くやらない限り、シリーズを立て直すのは難しいと思う。