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【感想】ファルコン&ウィンター・ソルジャー(1~6話)【ネタバレ有り】

謎が謎を呼んでいたワンダビジョンと違って、

派手なアクションと「MCU最新作」というのが分かりやすい内容。

 

勿論、MCUの積み重ねてきたドラマ性の深さも有り、

ワンダビジョンとはまた違った方向性で「今後どうなるんだ!?」と今後が楽しみ。

 

 

第1話

ファルコンことサム・ウィルソンは、

アメリカ空軍と組んで特殊任務をこなしている模様。

 

「映画館で見たい!」と思わせるド派手なアクションで始まり、

鬱々としていたワンダビジョンから一転して見ていて気分爽快。

 

しかしキャップの盾を受け継ぐのは断ったようで、

キャップの盾は博物館に保管することにした。

 

指パッチンでサムが消えていた5年間の間に姉とその息子たちは貧困にあえいでいて、

同様の状況に置かれた人が多いので銀行からお金を借りることも出来ない。

アベンジャーズとして世界を救っているサムも、

一つの家族を助けることが出来ない無力さに悩んでいる模様。

 

一方、ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズ。

平和な日常を送りたいと思いながら、

自身の贖罪の為に元ヒドラの人間の罪を暴いたり、

過去に傷つけた人を助けようと奮闘しこちらも色々と悩んでいる。

 

そんな中、アメリカ政府は「新たなヒーロー、新たな希望」が必要ということで、

サムも知らない間に「新たなキャプテン・アメリカ」を発表。

 

新たなキャップが誰でどんな人物なのか?

気になることろで第1話は終了。

 

サムとバッキーは両者ともにキャップと縁が深い人物なので、

「エンドゲーム後、キャップが居なくなった世界」にて、

次のキャプテン・アメリカをどうするのか?が主題になりそうだ。

 

サムの任務はアメリカ空軍の物だったので、

アベンジャーズが現状どなっているかも気になる所だ。

 

第2話

キャプテン・アメリカは米軍特殊部隊の超エリート、

ジョン・ウォーカーという人物。

 

キャップの後を継ぐ事にかなりプレッシャーを感じているようだが、

善人であり、ジョンなりに頑張ろうとしている模様。

 

ただ、戦闘で拳銃を使っており、

これではキャップとしての人気を得る事は難しい。

(多分、制作陣も、意図して銃を使わせていると思う。)

 

一方、サムとバッキーが合流し、

互いに反発し合いながらもとりあえず協力する事になる。

(バッキーは盾を手放したサムを許せない、

サムは自分の決断は自分のものだ、と譲らない。)

 

出所不明の超人血清で複数人の超人が現れており、

それを追うのがストーリーの主な流れになりそう。

 

手がかりを求めて、サムとバッキーがジモに会おうとする所で2話目終了。

 

ジモはシビル・ウォーでアベンジャーズへの復讐の為に暗躍し、

最終的には投獄された人物。

 

ジモのせいでトニー・スタークとキャップの仲間割れが発生したわけで、

そのジモの再登場はMCUにとってかなり大きな影響を及ぼしそうで、

次回でどう話が転がるのか非常に楽しみ。

 

バッキーが会いに行ったイザイアという老人もどういう経緯なのか超人で、

 朝鮮戦争時にバッキーと争っていたらしい。

今回は顔見世程度の登場だったが、イザイアも今後重要な人物になるかも?

 

新キャップがどうなるのか、サムとバッキーが今後どうするのか、

そしてジモの再登場、新たな超人イザイアの登場と、

思った以上にMCUに大きな進展をもたらしそうだ。

 

3話

うーん、今回は色々と引っかかりを感じる展開が多かった。

 

まず、超人血清を追うためとはいえ、ジモを脱獄させた事。

シビル・ウォーの黒幕である人物を、こうも簡単に外に出すのは違和感が強い。

 

そして、シャロンの扱い。

シビル・ウォーでキャップ達に手を貸したことで犯罪者となり、

そのまま誰からも助けられること無く潜伏を続けていたというのは酷いし、

無理が有るのでは?と思ってしまった。

 

それぞれのキャラクターは魅力的だけれど、

展開が強引過ぎてどうにも集中できない。

 

これまでも「冷静に考えれば無理あるよな」という展開は有ったと思うが、

1本2時間前後で見れる一つの作品である映画と違って、

ドラマだと描写が丁寧な分粗が目立ってしまうなという印象。

 

とは言え、

シャロンがなぜそのような状況に追い込まれていたかは今後さらなる説明が有るかもしれないし、

ラストでワカンダの戦士がバッキーに接触してジモの引き渡しを要求してきた事からも、

キャラクターや組織それぞれの善と罪の部分がしっかり描写されるのを期待したい。

 

ジモは前ワカンダ国王を爆殺しており、どう考えても赦されるキャラじゃないので、

しっかり痛い目を見てもらいたい。

 

4話

シャロンの扱いの悪さは解消されないものの、

ジモの引き渡しで新キャップ、ワカンダと2つの勢力が入り乱れる構図が面白かった。

 

新キャップはただでさえ精神的に疲弊していた所で、

超人でもなんでもないワカンダ戦士にやられて意気消沈。

 

しかし、ジモが超人血清を破壊していた所で新キャップが乱入、

1本だけ残った超人血清を使ってしまう。

 

そしてテロリストと交戦中に新キャップの相棒が殺され、

怒りのあまり一般人が多くいる中でテロリストの一人を盾で滅多打ちにして殺してしまう。

 

血に塗れた盾と新キャップを映して4話が終了。

これでもう、新キャップが今後正当なヒーローとして活躍する事は無くなるだろう。

 

ジモも騒動の中で逃走しており混迷を極める状態で、

あと2話でちゃんと話がまとまるのだろうか、ちょっと不安になってしまう。

ワンダビジョンもけっこう投げっぱなしで終わってしまったし……。

 

キャプテン・アメリカ」の継承にはしっかり決着がつくのを期待したい。

 

しかし、新キャップであるジョン・ウォーカーの小物っぷりが凄い。

演じるワイアット・ラッセルの「キャップになりきれない」感じが秀逸。

 

その分、キャプテン・アメリカスティーブ・ロジャースクリス・エヴァンスが、

いかにキャップであったのかも改めてよく分かる!

 

第4話

新キャップ(ジョン・ウォーカー)はキャプテン・アメリカの称号を剥奪されて闇落ち。

 

サムは今回の事件で心機一転、キャップの盾を受け継ぐことを決める。

サムとバッキーは考え方の違いで反目しつつも、

仕事上のパートナーとしてやっていこうぜ!とそれなりの関係性を築く。

 

ジモはワカンダ戦士に捉えられ、再び投獄される。

 

と、良くも悪くも予想通りで順当な展開。

 

正直、このドラマがなくて、

「エンドゲーム後にサムが盾を引き継ぎました」で良かったんじゃない?

と思ってしまう。

 

ただ、シャロンが何やら暗躍しており、

闇落ちしたジョンも何かやらかしそうな流れなので、

最終話で各キャラクターがどう動くか期待したいところ。

 

しかしこのドラマの一番の問題は、

ヴィランであるカーリーに全く魅力が無い所だと思う。

 

超人血清を打ってるとはいえそこまで強くは見えないし、

カリスマ性も全然なく、子供のわがままでテロ行為をやってるだけにしか思えない。

 

同士やその子どもたちを守りたいと言う割に、

指パッチン後のカオスな世界を求めているっぽいチグハグさが全く理解できない。

まぁ、これも「実は裏で操っている人が居ました」な展開になるかもしれないけど。

 

あと、バッキーがワカンダに頼んでサムの新装備を手に入れていたけど、

「そもそもアベンジャーズはどうなってんの?」という点が全く描写されないので、

どうにも話の流れに乗り切れない。

 

エンドゲーム後の社会情勢が描かれているようで、

大事なところがあやふやなままだから、凄くじれったい。

 

今後の各作品に繋がることが前提なんだろうとは思うものの、

正直ワンダビジョンとこのドラマは、

今の所MCUの新展開としては「悪くはないけど良くもない」という印象。

 

6話

完結。

 

まず全体の感想から言うと、「良くもないけど悪くもない」といった所。

 

サムは正式に盾を受け継いでキャプテン・アメリカとなり、

バッキーはウィンター・ソルジャー時代の自分と決別。

 

新キャップことジョン・ウォーカーは闇堕ちしかけたが

謎の女性の援助を受けて「USエージェント」になる。

 

シャロンは「パワーブローカー」という裏社会の人間として暗躍しつつ、

アメリカのエージェントとしての立場も再度得たことで、

裏表両方で強力な権利を持った模様。

 

このシリーズを見ていてとにかくずっと引っかかっていたのが、

アベンジャーズってどうなってんだ?」という事。

そこが不明なまま話が進むので、どうにも乗り切れなかった。

 

名実ともにキャプテン・アメリカを継いだサムは確かに格好良いが、

もっとスケールを大きくして映画でやって欲しかったなあというのが正直な所。

 

ワンダビジョンもそうだったが、ドラマシリーズは中だるみが目立つ。

そのうえで結局「色々大事なことは次の作品に持ち越し」なので、

凄く消化不良感が残ってしまう。

 

いろいろな意見があるとは思うけれど、

個人的には今の所ディズニー+で展開しているドラマシリーズは、

悪くはない、悪くはないけど微妙だなあ。という評価。

 

今後の劇場版との兼ね合いで、

「ドラマを見てない人でも映画を楽しめるように」と、

本当に重要な所を省いている感じがするのがモヤモヤする。