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【ドラマ感想】ロキ 1~6話【ネタバレ、ストーリー解説】

ディズニープラスで配信が開始された、

マーベル・シネマティック・ユニバースの「ロキ」の感想。

 

アベンジャーズ:エンドゲームからのネタバレも有るので、注意。

(ロキを見る人でエンドゲーム見てないって事は無いと思うけど、一応。)

 

 

 

 

1話

まず、ロキに繋がる経緯をおさらい。

 

エンドゲームでアベンジャーズは失われたインフィニティ・ストーンを集めるため、

タイムトラベルを実行。

 

その中で映画1作目のアベンジャーズの時間軸に戻った際、

混乱に紛れてロキが四次元キューブを奪って逃走。

 

その後の行方が不明のままだったが、それが描かれるのが今作「ロキ」となる。

 

1話目で起きたことをざっと箇条書きにすると、以下。

 

・「TVA」という、時間を管理する「タイムキーパー」が作った組織にロキが捕まる

アベンジャーズのタイムトラベルは想定内なのでOKだが、

ロキの行動は時間の分岐に繋がる想定外の事件らしい)

・TVAは時間の分岐が起きないように世界を監視し、

 今作のロキのように時間の流れを外れる変異体を排除している

・TVAはとある逃亡した変異体に何度も襲われ、被害が広がっている

・その変異体に対処するため、ロキが協力することになる

・その理由は、逃亡した変異体もロキであるから

 

という事で、1話の最後でもう一人のロキらしき人物が出てきたが、

顔が隠されたままの意味深な演出であった為、

説明された通りに「もう一人のロキ」では無いかもしれない。

(でないと、顔を隠した意味が分からないので。)

 

今回判明した重要な要素は、「現時点で時間の流れは一つ」である事だと思う。

なので、このままではアメコミの常套手段であるマルチバース(複数の世界)を描くことは出来ない。

 

ただ、ドクター・ストレンジ2のタイトルが「マルチバース・オブ・マッドネス」である事は判明済み。

 

ワンダビジョンでもマルチバースを匂わすネタが有ったし、

本作では明確にマルチバースが発生しうる設定が明かされた。

マッドネスという単語?概念?も出てきている。

 

ワンダがドクター・ストレンジ2で重要な役で出てくるという情報も出ているので、

本作「ロキ」で起こる内容も、今後のMCUにとって非常に重要になりそうだ。

 

2話

ロキとタイムキーパーの捜査官メビウスのバディで、

もう一人の変異体ロキを追う。

 

もう一人のロキが歴史的災害を隠れ蓑にしている事を突き止め、

 確保しに行った所、もう一人のロキがロキに接触

(書いててややこしい!)

 

もう一人のロキが1話目で隠していた顔を晒した所、女性の姿だった!

レディ・ロキ(仮称)は時間軸を操作する爆弾を大量にどこかへ送り込むと、

時間軸の分岐が大量発生。

 

レディ・ロキは逃走、ロキもそれを追った所で2話目終了。

 

何が起こっているのか、レディ・ロキの正体は?

何もかもが不明なままだが、3話目で話が大きく動きそうだ。

 

3話

レディ・ロキ(仮)はシルヴィと名乗っている事が判明。

 

シルヴィは母親の事をほとんど覚えていないとの事で、

その出自は依然ほとんどが不明のまま。

 

ロキの変異体と言われているが、それもどこまで本当か怪しい。

 

で、3話はロキとシルヴィの珍道中で終わったので、

ストーリー的にはほとんど進まなかった印象。

 

TVAに乗り込んだシルヴィはロキと争っている間に追い込まれ、

うっかりタイムトラベル装置が起動したせいでワープ。

 

ワープした場所が崩壊寸前の星だった為そこから脱出しようとするが、

頼みの綱の脱出艇が破壊されたところで終了。

 

重要なポイントとしては、シルヴィがTVAの隊員の心を読んだところ、

その隊員は元地球人であった為、

「タイムキーパーが(職員を含め)TVAを生み出した」というのが事実ではない、

と判明した所だろう。

 

まぁ、元々存在していた人間を利用して作り出した、

という意味ではタイムキーパーが作ったことには変わりないが、

メビウスの説明ではタイムキーパーが0から作り出したというニュアンスだった。

 

そこが嘘だったとなると、

タイムキーパーの存在、TVAが作られた理由、時間軸についての説明など、

色々な事が怪しくなってくる。

 

シルヴィの存在もまだふわっとした説明しかされていないので、

次回以降でどんな説明がされるか楽しみにしたい。

 

4話

今回は結構話が大きく動いた。

 

箇条書きにすると、

 

・崩壊寸前の惑星で死を覚悟したロキとシルヴィ。二人の間に恋愛感情?が生まれる。

・それが影響して大きな時間の分岐が発生

・時間の分岐を察知したTVAがロキとシルヴィを回収、命が助かる

・ロキがメビウスに、シルヴィがTVA隊員の一人に、

「TVAの人間はタイムキーパーが0から生み出したのではなく、

元々存在した人間を利用している」事を教える。

・ロキと共に反乱を起こそうとしたメビウスが”剪定(消去)”される

・ロキとシルヴィがタイムキーパーの元に連れていかれる

・シルヴィが真実を教えた隊員が反乱を起こし、シルヴィがタイムキーパーを殺害

・と思ったが、タイムキーパーはただの機械で、意思を持たない人形だった

・では、誰がTVAを作ったのか?

・油断したところで、ロキも剪定される

・剪定=完全な死かと思われたが、ロキは謎の場所で目覚める

・そこには、他の変異体ロキやソーと思われる人が居た

(→ハンマーを持っているのも変異体ロキだった模様)

 

……といった所だろうか。

 

それと、

・シルヴィはまだ幼い頃にTVAに拉致され、隙を見て逃げ出した

・シルヴィはどんな理由の時間分岐でTVAに拉致されたのか?

という謎も出てきた。

 

ますます謎が深まるばかりだが、

剪定されたロキが送られた場所と、そこに居た人達がどんな意味を持つのか、

次回でどんな説明が有るか期待したい。

(多分、剪定されたメビウスも、ロキ同様にまだ生きている?)

 

シルヴィがTVAに拉致された理由も、このドラマにおいて重要な要素になりそう。

(回想シーンでは、子供時代のシルヴィが普通に遊んでいるだけにしか見えなかった。)

 

TVAが時間の分岐を監視・管理しているという事自体がそもそも嘘のような気もする。

 

ドクター・ストレンジで、

魔術師集団はアベンジャーズとは別に別次元の存在と戦っている、 

といった台詞が有った。

 

このドラマ「ロキ」もドクター・ストレンジ2に直接繋がるという話なので、

もしかしたらストレンジとTVAが戦う、もしくは協力するような事になるかも?

 

5話

4話のラストで登場した多数の変異体ロキ達。

彼らによると、そこは剪定して送り込まれる「虚無」と呼ばれる場所。

 

「虚無」はそれ以上時が進まない場所で、

剪定された人間は虚無を守る怪物「アライオス」に飲みこまれると完全に消失してしまうらしい。

 

一方、TVAでラヴォーナ(TVAの偉い人)を問い詰めるシルヴィ。

ラヴォーナもTVAの黒幕を知りたがっているとの事で、シルヴィへ協力を持ちかける。

 

が、結局ラヴォーナはシルヴィを裏切り、警備員を呼ぶ。

追い詰められたシルヴィはTVAが使う端末タイムパッドを奪い取った上で、

自ら剪定されて虚無へ向かう。

 

シルヴィは「虚無」の先にTVAの黒幕が居ると予想し、

ロキ達に協力を持ちかける。

 

虚無で生き延びていたメビウスはタイムパッドを受け取りTVAへ戻る。

(TVAに戻ったら焼き払ってやるぜ、と言い残して。)

 

ロキ、シルヴィ、変異体ロキで虚無の番人(番犬?)アライオスの心を乗っ取り、

虚無の先に隠された謎の場所を見つけた所で5話が終了。

 

結局、5話も話が進んだようでほとんど進んでおらず、謎も明かされていない。

最終話である6話で、「黒幕」が誰で、TVAは何を目的としていて、

そして今後のMCUにどう関わるか、要注目。

 

5話は「虚無」で色々な時間軸の様々なネタが散りばめられていたので、

ストーリーに直接関わりはなくても凄く面白かった。

 

MCUとは関係ないが、USS Philadelphiaと書かれた軍艦が虚無に現れ、

アライオスに飲み込まれていた。

 

これはフィラデルフィア計画(実験)と呼ばれる都市伝説が元ネタ。

駆逐艦フィラデルフィアをステルス化する実験で、

「船が瞬間移動した」「人間と船体が融合してしまった」と様々な逸話が有る。

フィラデルフィア計画 - Wikipedia

 

MCUの世界では、この実験が剪定対象になり、

虚無送りになってしまったという事なのだろう。

 

6話

ロキ、完結。

 

とは言え、まだまだ「俺たちの戦いは続く!」であり、

ハッキリ言って一つの作品としては凄く中途半端な終わり方だった。

 

・ロキとシルヴィ、時間の支配者と会う

(作中では「在り続ける者」と呼ばれているが、ここでは分かりやすく「支配者」と呼ぶ)

・支配者は元々もっと未来の研究者で、宇宙が複数存在している事を発見

・他の宇宙の自分と協力する事で、互いの宇宙の技術を発展させようとしていた

・が、中には悪い自分もいて、多元宇宙戦争が勃発

・支配者がアライオスを利用して戦争を収め、TVAを開設

・TVAが時間の剪定を行う事で、他宇宙の悪い自分が復活し争いが再燃するのを防いでいた

・しかし、時間の管理にも疲れたので後継者を探していた

・後継者探しと育成の為、幼いシルヴィを拉致していた

・支配者は「自分を殺して多元宇宙戦争を再燃させる」か「後継者となって時間を収める」かの二択をロキとシルヴィに迫る

・ロキは支配者を殺すのに反対(というより、よく考えろという立場)

・シルヴィは自分の人生を壊した支配者を殺そうとする

・シルヴィは支配者の装置を使い、ロキをTVAに飛ばし、支配者を殺害

・時間の分岐が限界点を超え、TVAの管理を離れる

・ロキが飛ばされたTVAは別の宇宙のTVA(?)で、そこに居るメビウスはロキの事を知らなかった

・TVAにあったタイムキーパーの3人の像が、支配者の像に変わっている

(別の宇宙の支配者がTVAを乗っ取った?)

 

という所でドラマ終了。エンドクレジット後に、シーズン2をやるという予告だけ。

 

一応TVAの謎は解けたが、ロキがどうなるか、

支配者を殺したシルヴィがどうするか、といったキャラの動向は全く不明。

 

ちなみに、TVAのお偉いさんであるラヴォーナも、

何らかの意図をもってTVAから姿を消している。

メビウスはラヴォーナがどこかへ行ったのをただ見ていただけで、

その後何をしているか不明。

 

支配者もシルヴィに殺されはしたが、多元宇宙には別の支配者が居る模様。

(ちなみに、支配者を演じる俳優は、

アントマン3でヴィラン「征服者カーン」を演じる事になっている。

なので、多元宇宙の「悪い支配者」が「征服者カーン」として出てくるのだろう。)

 

等など、主要キャラが今後どうなるか、何を目的としているのか、

といった多くの事が示されずに、あれもこれもまだまだ不明な点ばかり。

 

あまりにも「今後のMCUの為の繋ぎ」な作品で、消化不良だ。

ワンダビジョン以上に中途半端なのは、シーズン2を見越しての事だろうが、

一つの作品として楽しめない作りなのはハッキリ言って不愉快。

 

ファルコン&ウィンターソルジャーは、

一つのドラマとしてまとまっていて良かったのだが……。

 

それと、ディズニープラスで展開しているMCUのドラマは、

どれも「2時間でまとめられる内容だよね」という中だるみを感じる。

 

面白いには面白いけど、

あまりにも「MCUの熱心なファン」だけを相手にし過ぎだと思う。

 

熱心なファンである僕からしても、

今後何か月、何年も待たないと先が見れない作りばかりで、

「あれはどうなる?これはどうなる?」と露骨に風呂敷が広がり続ける状態で、

このやり方には反感を覚えてしまう。

 

元々MCUのシリーズがこれほどまでに人気が出たのは、

「基本的に一つの作品がそれだけで完結していた」からであって、

そこから薄い繋がりがだんだん一つにまとまっていくのが良かった。

 

最初からぶつ切り展開のディズニープラスのドラマシリーズは、

「面白いとは思うけど、このやり方は好きじゃない」

というのが正直な意見だ。

 

とは言え、続編になるというドクターストレンジ2と、

同時にこちらも続編となるロキのシーズン2を楽しみにして待ちたいと思う。