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【映画感想】ソー:ラブ&サンダー【ネタバレなし】

■総評

・悲しく切なく楽しいストーリー

・ノリノリの音楽とギャグ

・見ごたえ抜群のアクション

・魅力的なキャラクター達

 

 

最高にラブでサンダー!!!!

前作同様、とにかく観ていて楽しい映画だった。

 

全体的には実は暗くて悲しいストーリーなのだが、

そこを独特のハイテンションなノリとギャグで突き進んでくれるので、

ワクワクドキドキしながら観る事が出来た。

 

やはり今回の最重要人物は、ソーの元カノであるジェーン・フォスター。

 

なんと彼女は末期癌に侵されており、余命幾ばくもない状態。

 

そこでミョルニルハンマーに呼ばれ、マイティ・ソーとして覚醒。

しかし病気が治るわけではなく、

むしろハンマーを使う度に体力を消耗し死に近づいてしまう。

 

それでもヒーローとして生きて死にたいジェーンと、

一日でも長く生きて欲しいと願うソーのラブドラマは本当に切なかった。

 

結局、ラストでジェーンは死亡してしまう。

最近のMCUの流れでソーも世代交代するのかと思われていたが、

この展開は意外であった。

(戦の中で死んだ神々が住まうヴァルハラに呼ばれたのは救いであったが。)

 

エンディング後に「ソーは帰ってくる」とお決まりの文句が出たので、

クリス・ヘムズワースが演じるソーが再び出るのは確定だろう。

 

”神殺し”ゴア

そして、今回のヴィランであるゴアも最高に魅力的だった。

 

やはり演じるクリスチャン・ベールの存在感が凄まじい。

ダークナイトヒース・レジャーが演じたジョーカーと比べられる程なのも分かる。

 

ダークナイトバットマンを演じた人と同一人物とはとても思えない。

(もっとも、クリスチャン・ベールは映画で見る度に「誰だこいつ!」と思っちゃう俳優ではある。)

 

ゴアも愛深き故に愛を捨てた男であり、

今回「神々はろくでもねぇ奴らだな」というのはソーも映画を見た観客も共通で抱く思いだったので、

ちょっとゴアを応援したくなる。

 

が、そのイカれた言動の恐ろしさでヴィランとしての威厳もたっぷり。

影を操り戦うキャラクターなので、

色のない世界での戦いは色彩豊かな映画の中での異様さが更に際立っていた。

 

無駄に豪華な面々

ソーはエンドゲームでガーディアンズ入りしたので、

序盤はガーディアンズのメンバーと行動を共にしていた。

 

「ソー」としての物語の都合上すぐにガーディアンズから離脱したのは少し残念だったが、

それでもガーディアンズの活躍を見れたのは嬉しかった。

 

アズガルドで開かれる演劇でマット・デイモンとルーク・ヘムズワース、

サム・ニールが出てくるのは前作同様。

 

「こんな時だからこそ演劇を!」

マット・デイモンとルーク・ヘムズワースが演劇へのこだわりっぷりを見せるシーンは笑った。

 

演劇でヘラ役で出てきたメリッサ・マッカーシーも有名なコメディアン&女優。

あんなおデブがヘラ役をやったら、ヘラが怒りで地獄から蘇りそうだった。

 

また、ゼウス役でラッセル・クロウが登場。

デブで女好きで傲慢で噛ませ犬なキャラクターではあったが、存在感は抜群。

 

ソーがゼウスに反旗を翻した事で、次回作は神々の争いが更に荒れる事だろう。

(オマケ映像で、ゼウスが息子のヘラクレスをソーに差し向けるシーンが有った。)

 

ゴアの娘の存在

さて、今回は宇宙の中心に有る「永久の門」の中を目指すお話でもあった。

 

「永久の門」に辿り着けば願いを叶えることが出来ると言われており、

ゴアはそこで神々を抹殺する願いをしようとしていた。

 

結局、ソーに諭されたゴアは「望んでいたのは娘の幸せ」であったと気づき、

娘を復活させて自身は力の源である剣を壊されて死亡した。

 

この永久の門の先に有る場所が、

インフィニティ・ストーンを揃えて指パッチンした時に訪れる場所と同じように見えた。

 

(「サノスは石を集めずに永久の門を目指せば良かったのでは?」という気がしたが、

神やそれに類する力を持っていないと辿り着けないといった条件は有るのかもしれない。)

 

今回はそこに仏像のような形をした異形の存在がおり、

復活したゴアの娘もその力を内用しているような描写も有った。

 

ソーはゴアの娘を養子として迎え、パパ・ソーとなり、

親と娘の二人で一緒に暴れまわる生活をしているようだ。

 

既にソーと一緒に戦えるほどの力を持っている娘が、

今後のMCUにどんな影響を与えるのか、楽しみである。