椅子と椅子の間から観る

映画の感想・解説やゲームの話

【ドラマ感想】ガンニバル【ややネタバレ有り】

■総評(GOOD)

柳楽優弥が超格好良い

・先の読めないホラー&サスペンスな展開

・村の狂気と主人公の狂気がぶつかり合うスリル満点の展開

・登場人物皆が怪しくて不穏で魅力的

・テンポが良く、中だるみ無しで最初から最後まで面白い

・俳優も美術もレベルが高い

 

■総評(BAD)

・ややネタバレになるので記事後半で

 

 

狂った伝統を持つ村と狂った正義感の主人公

久々にドラマにハマって、全7話を一気に見た。

ディズニープラスで配信中の作品。

 

原作漫画を未読で

「食人が行われているらしい村に赴任した警察官の主人公」

くらいの前知識で見たので、

全く先が読めず、最初から最後までハラハラドキドキして見る事が出来た。

 

まず、柳楽優弥演じる主人公、阿川大悟が最高に魅力的。

一癖も二癖もあって素直に応援できる主人公像ではないのだが、

それゆえに魅力的。

 

バットマンに通じる「狂った正義感」の持ち主で、

暴力的で度々暴走してしまう問題児。

 

本編よりも以前にとある問題を起こしており、

それもきっかけで舞台となる田舎の村に赴任。

 

そしてこの村、特に村を支配する後藤家がとにかく怪しさ満点で、

明らかにヤバい人達の集まり。

 

この村も村人も様々な「ヤバさ」が入り乱れており、

そこでヤバい主人公が暴走するのでとにかくヤバい。

次々に色々な事が起こるので、全く飽きずに見れる。

 

ホラー的な演出も見事。

「バーン!どバーン!」と驚かすようなやり方ではなく、

ジワジワと不穏な何かが迫ってくる感じが秀逸。

 

見事な俳優陣と、全く安っぽくない作り

これが重要で、ぶっちゃけ最近の日本のTVドラマはとにかく安っぽい。

背景や小物の作り物感が目立って、興が削がれる。

 

そしてアイドルや芸能人を使わず、

演技力の高い本職の俳優で固めているので、その熱演っぷりに引き込まれる。

 

柳楽優弥は僕の中で「アオイホノオ」や「銀魂」でのコメディな印象が強いが、

チンピラ暴力警官の役もピッタリで、

あの特徴的な顔でも全くの別人に見えるから凄い。

 

派手なアクションシーンもあって、

予算があれば日本のドラマもここまで出来るのか!と思えたのも良かった。

 

ちなみに岡山県の山奥が舞台なのだが、

僕は親類が広島県福山(岡山との県境)の辺りに多く使っている方言がかなり近いので、

より臨場感を楽しむことが出来てよかった。

(方言のアクセントも違和感なく見れた。)

 

ほぼ文句のないドラマだが……

とにかく、文句があるのは1点だけ。

 

ここから先は内容には直接触れないが、

ある程度のネタバレになるので未見の人はご注意を。

 

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消化不良で、そこで終わるのか!シーズン2は有るの?いつやるの!?

という事!!!

 

いや、物語的にはここで終わっても問題ないとは思う。

謎はほぼ解けて、知りたかった事は知ることが出来た。

 

終盤で出てきた刑事の

「阿川が証拠を見つけても殺されても警察は動ける」というセリフの通りだ。

どうなっても物語は終わるだろう。

 

しかし、現時点でシーズン2の予告もないのだから、

もうちょっと「シーズン1だけでも完結してる」と思える作りにして欲しかった。

 

とは言え、これだけ熱中して見れたドラマは久々で、

終わり方に不満はあるものの全体的には大満足。