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映画の感想・解説やゲームの話

【映画感想】ヘルボーイ(2019)【ネタバレ無し】

■総評(GOOD)

・ノリノリの音楽

・大迫力の馬鹿げたアクション

・容赦ないスプラッター表現

 

■総評(BAD)

・(良くも悪くも)デル・トロ版とは別物

・アクションシーンが少ない

・キャラクターや世界観の説明が少ない

 

 

 

血湧き肉躍る超絶B級アクション

海外での評価が非常に低く、制作費の回収も危うい……

なんて話を聞いていたので恐る恐る見に行ったが、いや、凄く面白かった!

 

確かに、評価が低かった理由も分かる。

バカバカしいB級なノリの映画なので批評家からの評価は低いだろうし、

前作であるデル・トロ版とは別物なのでシリーズファンは困惑しそうだ。

 

でも、頭を空っぽにして見れるB級アクションとしては大満足の出来だった。

容赦ないスプラッター表現、ノリノリの音楽、長回しを多用したド迫力の戦闘シーン。

巨人との戦闘シーンを見るだけでも価値が有ると思う。

 

終盤の「やり過ぎ!!」と思わず笑っちゃう大殺戮シーンも最高だった。

 

以前のシリーズはデル・トロ独特の感性で作られた、

デル・トロらしい淡々とした残酷さと美しさのある作品だったが、

ハッキリ言って今回はそういった要素は無い。

 

方向性で言えば、タランティーノロバート・ロドリゲスが手掛けた

グラインドハウスデス・プルーフプラネット・テラー)のような、

良い意味でひたすらにB級な馬鹿馬鹿しい映画になっている。

 

デル・トロの真似をしても絶対に成功しないので、潔く方向転換したのは成功だったと思う。

 

とは言え問題点も多い

個人的には楽しめたが、しかし、正直に言って残念な点も多かった。

 

まず、世界観やキャラクターの説明がほとんど無く、

新規のお客は置いてけぼりになるだろうなあとも感じた。

 

デル・トロ版とは別物なのに、

デル・トロ版か原作を知らないとついていけない、というアンバランスさ。

 

キャラクターの魅力自体も薄かった。

仲間二人があまりにも地味すぎるのがつらい。

 

ミラ・ジョヴォヴィッチ演じる敵の女王は中々魅力的だったけれど、

あまり活躍の場がないので勿体なかった。

(ところで、「女王の豊満な胸に魅了されたか?」みたいなセリフが合ったけど、ミラジョヴォって胸無いよなあ……。)

 

エンドクレジット中やエンドクレジット後のオマケ映像からも、

続編を意識してキャラクターを出し渋ったのかな?と思ったが、

そこは1作目で思い切り打ち込んで欲しかった。

 

アクションシーンの少なさから考えても、

そもそもやりたいことに対して予算が足りなかったのかも知れないが……。

 

恐らく次回作はなさそうな雰囲気だが、

素晴らしいアクションシーンや奇妙キテレツなデザインのモンスターが大暴れするシーンなど、

見所も多い作品だったのでなんとか続編を実現して欲しい。