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【映画感想】実写版ゴールデンカムイ【ネタバレ無し】

■総評(GOOD)

・原作大ファンの自分が見て大満足の原作再現っぷり

・キャスティングがほぼ完璧

・迫力満点で見ごたえのあるアクションシーン

・熊やレタラのCGがハリウッド級で違和感無し

 

■総評(BAD)

・登場人物が多いため、顔見せ程度で終わってしまうキャラも居る

 

 

原作再現度が素晴らしい

ゴールデンカムイは「どういうジャンルで、どんな物語なのか」を説明するのが難しい、

闇鍋カオスな漫画である。

 

これを実写化するのは相当難しいと思っていたが、

そんな不安を吹き飛ばしてくれる素晴らしい完成度の高さだった。

 

まずキャスティング。ほぼ文句なしで完璧だった。

 

全体的にもうちょっと筋肉やムチムチ度が欲しいところではあるが、

とは言え原作の肉体を再現するのはあまりに過酷すぎるので、許容範囲。

杉元佐一役の山崎賢人を含め、皆ちゃんと雰囲気が出ていた。

 

映像面も素晴らしく、冬の北海道の厳しい寒さが伝わってくる。

コスプレ感や背景の安っぽさも無く、あの時代の日本・北海道はこんな感じだったんだろうな、

と思えた。

 

原作はシリアスなシーンとギャグシーンの落差も特徴だが、

それも実写で上手く再現していたと思う。

 

ギャグシーンは実写になるとスベってしまう事が多い印象だが、

本作はちゃんと笑えて楽しいシーンになっていた。

実際、映画館では度々笑い声が上がっていたので、ちゃんとウケていた。

 

アシリパさんの顔芸もしっかり再現されていて笑えた。

 

ど迫力のアクションシーンと、クオリティの高いCG

オープニングは203高地の激戦から始まるが、まずこのシーンが凄い。

 

邦画でここまでど迫力で泥臭い戦争映画を作る事が出来るとは!と驚いた。

ぜひともこのスタッフで戦争映画を作って欲しいと思えるほどだ。

 

本編のアクションシーンの数々もどれも見応えバグツンで、

原作のぶっ飛んだアクションもしっかり再現していて本当に楽しめた。

(いかにもなワイヤーアクション、早回しでの不自然さがない!)

 

しかし、土方歳三の登場シーンは少なく、チャンバラはあまり無かったのが残念。

舘ひろし演じる土方歳三が最高に格好良いだけに勿体ない。

ぜひとも次回作ではチャンバラシーン大増量で見せて欲しい。

 

熊と狼の恐ろしさ

ゴールデンカムイのアニメで非常に残念だったのが、熊のCGのショボさである。

 

あえて異物感を出すためにCGにしたとの事であったが、

正直に言ってアレは違和感しか無くて視聴に耐えうるレベルではなかった。

 

が、実写映画版の熊は凄い。

ほとんど違和感のないハリウッド級のCGで、滅茶苦茶怖い。

 

熊の恐ろしさはゴールデンカムイにおいて非常に重要なポイントなので、

ここがしっかりしているのは作品全体の評価への影響も大きい。

 

レタラ(狼)のCGも素晴らしいクオリティで、

狼の獰猛さから犬っぽい可愛さも魅力たっぷりに描写されていた。

 

本当に素晴らしい実写映画化で、

不満点を言えば「もっと見たい!次回作はいつだ!?」という所である。

 

エンドクレジットの合間や後でも色々とオマケ映像が有り、次回作への期待値が上がったので、

さらなるゴールデンカムイっぷりを見せつけてくれるであろう次回作が楽しみである。