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映画の感想・解説やゲームの話

【Netflix感想】シティーハンター【ネタバレなし】

■総評

・あらゆる要素において、シティーハンターを完全に実写で再現している

・見どころ満載のアクション

鈴木亮平の肉体美が素晴らしい

鈴木亮平の演技が素晴らしい

鈴木亮平の全てが素晴らしい

 

 

現代に蘇ったシティーハンター

原作漫画は1990年前後に連載していた作品という事もあり、

それをそのまま実写化すると古臭さが目立ったと思う。

 

しかしNetflixシティーハンターは、

違和感なく現代を舞台にし、現代の価値観で作られつつ、

それでいて文句なく「シティーハンター」であった。

 

冴羽獠にはエロやお下品さが欠かせない。

しかし、一昔前の作品を今見るとお色気要素や下品さが悪い意味で際立ってしまう事がある。

本作はそこを絶妙なバランスで表現していたと思う。

 

冴羽獠らしいお下品さをしっかり表現しつつ、古臭い嫌な感じがしないのが不思議。

 

鈴木亮平演じる冴羽獠はもちろん、どのキャラクターも全く違和感がなく、

シリアスとコメディの配分も文句なしのシティーハンターっぷり。

 

こういった作品では銃撃音が安っぽい事が多いが、

銃の発砲音の大きさに恐怖を覚える人を描いているシーンが有り、

そういったリアルさもしっかり表現しているのが印象的だった。

 

とにかく鈴木亮平が凄い

異なる作品に出るたびに全く違う見た目になる事で有名な鈴木亮平だが、

本作での体の鍛えっぷりも凄まじい。

 

アニメ的に強調されたような筋肉を自らの肉体で再現している。

 

ギャグシーンとシリアスシーンのギャップも冴羽獠そのもの。

 

ギャグシーンではアニメ版の声優である神谷明そっくりの声と演技になるので、

ちょっと脳が混乱するレベルで「冴羽獠」になりきっていた。

 

格闘戦や銃の扱い等もぎこちなさが全く無く、

インタビューによると本作のために相当なトレーニングを積んだとのこと。

日本人俳優で鈴木亮平以上に役になりきれる人はそう居ないだろう。

 

独自性が有って見ごたえのあるアクション

この手の映画は下手に流行りの要素を取り入れてしまう事で、

劣化コピーにしかならず冷めてしまう事がある。

(例:マトリックスのワイヤーアクション、ジョン・ウィックの銃撃&格闘の劣化コピーが量産される等)

 

しかし今作はそういう事がなく、しっかり「シティーハンターのアクション」をやっている。

 

言葉では上手く説明できないのだが、

「アニメのアクションを上手く実写に落とし込んでいる」という感じだ。

 

コメディ要素をバランス良く配置する事で、

バカバカしさが良い味になっているのがポイントだと思う。

 

実写で冴羽獠の超人的な銃の扱いが非現実的に見え萎えるのではなく、

しっかり「うおおおお!格好良い!」と素直に感動できた。

 

このシティーハンターをもっと見たい!

惜しいのは、100分程で槇村兄妹のエピソードとエンジェルダスト絡みの事件をまとめているので、

かなり駆け足で話が進んでしまう事だ。

 

原作を知らない人からすると、ちょっとついて行けないスピード感かもしれない。

 

また、シティーハンターは小規模な依頼に挑む読み切り的な話も魅力なので、

世界を巻き込むような大きな事件ではないネタも見たかった。

 

まだまだこの出演陣、スタッフの作る「シティーハンター」を堪能したい!

これだけで終わるのは勿体ない!

と思えた。

 

是非とも、今後はドラマシリーズをやって、また大きな話で映画を作る、

くらい盛りだくさんのシティーハンターを見せて欲しい。