■総評(GOOD)
・一部を除き、キャラクターの再現度が高い。虹村兄弟は必見。
・多少チープさは有るが、見ごたえの有るスタンドバトル
・原作と異なる点は多々有るが、映画用に丁寧にまとめられたストーリー
・仗助のじーちゃんが原作より丁寧に描写されており魅力的
・原作ファンがニヤリと出来る演出が多数有り
■総評(BAD)
・仗助役が細すぎ、承太郎役が老け過ぎ
・続編ありきで消化不良なストーリー
・一部スタンドのCGが安っぽすぎて残念
■魅力的なキャラクター達
虹村兄弟の再現度が高く素晴らしかった。
億泰の独特な髪型とチンピラ具合が特に良い。
殺人鬼アンジェロの汚らしい感じも魅力的で、
この辺りはヤクザや不良を描かせたら天下一品である三池監督の演出がハマっていたと思う。
山岸由花子も出番は少ないながらも非常に可愛い&怪しさ満点。
仗助役は体の線が細すぎて最後まで違和感が有ったが、
演技自体は非常に良くて仗助らしいキャラクターになっていた。
承太郎は出番が少なく評価を決めかねるが、
見た目だけで言えば明らかに老けすぎで違和感が有った。
(原作ではこの時点で20代後半である。)
広瀬康一も高校生にしては老けていたが、一見大人しいけど実は勇気あふれる人物、
という康一らしい魅力はしっかり演出されていた。
■アンジェロ関連のストーリーは原作より楽しめた
仗助のじーちゃん(東方良平)の描写が原作より格段に増えており、
とても魅力的なキャラクターになっていた。
映画用にサスペンス要素を重視していた事も有り、
アンジェロ戦は原作よりクオリティが高かったと感じた。
■バッド・カンパニーの描写が秀逸
CGで描かれるスタンドはややチープだが、
それでもスタンド同士のバトルは見応えがあった。
(比較的人間っぽい見た目であるスター・プラチナは滅茶苦茶ダサかったが。)
特に、若干のチープさがバッド・カンパニーと相性が良く、
襲ってくる兵士、戦闘ヘリ、戦車は非常に迫力が有った。
バッド・カンパニーの描写はかなり気合が入っており、
歴代邦画アクションの中でもトップレベルだし原作、アニメよりも良かった。
■続編ありきのストーリー
原作からカットされている部分や改変されている箇所も多いが、
おおむね「映画用にまとめたと考えれば上出来」であった。
しかし、それにしても続編ありきの内容であり、
1本の映画として考えるとまとまりがなく評価を下げざるを得ない。
山岸由花子が非常に魅力的であっただけに、
今回はラブ・デラックスの登場は無かったのが非常に残念。
ファンサービスの為に、所々原作未読者には意味不明だろうな、
というシーンが有ったのは一長一短といったところか。
■以下、ネタバレ感想
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原作ファンであればニヤリとしたであろう、広瀬康一の覚醒シーンが最高に良かった。
謎の髪型超サイヤ人化をしっかり再現しており、
「分かってるじゃん!」と思わず拍手したくなった。
そして原作ファンが驚くであろう、虹村形兆のラストシーン。
音石明がカットされるだろうというのは予想していたが、
サーモグラフィーで仗助達を映すシーンで「おおっ!」っと(小さく)声が出た。
あの演出は非常に良かった。これもやはり「分かってるじゃん!」と思った。
ただし、シアー・ハート・アタックは余りにもオモチャ感が強くて、
不気味さが足りなかったのは残念。
ここで吉良が介入してきた事で、
ストーリーの辻褄をどうやって合わせるかも期待半分不安半分である。
ともあれ、全体的に原作への愛を感じる作りになっており、非常に満足できた。
色々と消化不良な点も有ったが、それはそれで続編への期待へ繋がる部分も有り、
十分に実写化成功と言えるクオリティであった。