■総評(GOOD)
・あらゆる面が前作からパワーアップ(贅沢に制作費使ってるぜ!)
・『X-MEN外伝』として素晴らしい出来
・魅力的なキャラクター達
■総評(BAD)
・前作に比べ音楽の使い方がイマイチ
・一部キャラクターの出番が極端に少ない
・元ネタが分からないと笑えないシーンが多数なのは相変わらず
※本作は厳密にはMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)ではないが、
続編からMCUに合流予定なのでMCUタグを付けた。(2021/9)
予算が足りないとは言わせねぇ!
前作は節々で「あっ予算節約したんだな」と思えるシーンが有ったし、
デップー自身「他のX-MENは居ないの?予算足りてないんじゃない?」なんて言ってたが、
今作はド派手なアクションてんこ盛り、
あの俳優やこの俳優やそんな俳優が出るわ出るわの超豪華な内容だった。
ネタバレになるので詳しくは言えないが、
アレがチラッと出てくるのは流れで読めたものの、
あの人が一瞬とは言え出演していたのには驚いた。
本当にやりたい放題である。
デップーらしい「予算の無駄遣い」っぷりは本作の大きな見どころだと思う。
王道展開のその先に
前作もそうではったが、王道でベタベタだけどその一歩先を行く展開が面白い。
王道展開というのは面白いから王道なのであって、
それをキッチリやりつつデップーらしい捻りを加えてくるのが痛快。
やはりネタバレになるので詳細は控えるが、
特にそれが顕著なのがエンドクレジット中のオマケシーンである。
これが本当の意味でちゃんと「本編のオマケ」なのだ。
それでいて本編はこの為の壮大な前振りだったんじゃないかと思えるくらいの渾身のネタ。
オープニングから終わりまでネタとパロディをこれでもかと詰め込んでおり、
あらゆる方面に中指突き立てて喧嘩を売ってる危険な魅力は前作を遥かに超えている。
この映画のバランス感覚の良さと、
その上での狂ったぶっ飛びっぷりは本当に凄いと思う。
X-MENシリーズとして
前作はあくまでデッドプールという作品でX-MENシリーズとの繋がりは希薄であったが、
本作はX-MENの世界観(ミュータントと人間の関わり)を活かしたストーリーだった。
俺ちゃん正義の味方じゃねぇし!というデップーだからこそ出来る無茶な行動と、
X-MENという存在の絡みがより深く掘り下げられていて面白い。
ケーブルの存在感とキャラの良さも抜群で、
サノスサノスとネタにされている*1事を忘れそうになるくらいのはまり役だった。
(とは言えサノスもデッドプール2の公開をお祝いしているぜ!)
(あ、小さくアントマンもお祝いしているぜ!)
若干時系列が怪しい気もするが、まぁそこはネタ優先という事で良いだろう、デップーだし。
「運が良いのが能力」のドミノも非常に魅力的で、
運の良さを活かしたアクションは見ていてい非常に楽しかった。
前作に引き続き登場のタクシーの運ちゃんも相当良いキャラに育っている。
不満点について
音楽に関しては結構残念だった。
前作は見終わってすぐにサントラを買ったくらいに印象的だったが、
今作はあまり耳に残らなかった。
また、登場キャラが増えた分、
一部キャラクターが「出す必要有った?」というくらい出番がなかったのが残念。
ぶっちゃけて言うと新キャラのユキオちゃんは、
わざわざ出した意味が分からないくらい活躍しなかった。
ちゃんと活かせばデップーとの絡みが凄く面白そうなキャラだけに惜しい。
前作同様、様々な映画やコミックの知識がないと楽しめない問題も有る。
僕自身、後から調べて分かったという点は多い。
とは言え「王道的な面白さ」「X-MEN外伝としての面白さ」が前作より増しており、
一つの映画としての完成度は間違いなく上がっている。
前作はちょっと苦手だった、という人にも見て欲しいと思える完成度の高さだった。