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【映画感想・解説】シャン・チー【ネタバレ有】

■総評(GOOD)

・見ごたえ抜群の凄まじいアクション

・魅力的なキャラクター達

MCUの新時代を感じさせるワクワク感

 

■総評(BAD)

・終盤の展開は好みが分かれそう

 

 

MCUの新ヒーロー、シャン・チー!

かつてMCUの第1作目としてアイアンマンの公開が決まった頃は、

「アイアンマン?そんな微妙なチョイスで大丈夫?」

と思ったものだ。

 

正直、シャン・チーでも同じ事を思っていた。

 

キャップもアイアンマンも去り、

スパイディは権利の関係でMCUの中心になるのは難しそう。

 

そんな中で、MCUの新しいフェーズの1作目がシャン・チーって、

大丈夫なのか?と。

 

しかし、そんな不安を見事に吹っ飛ばしてくれた!

 

カンフーアクションを見事に最新のハリウッドアクションに融合し、

更にテン・リングスを使用した独特のアクションも最高!

 

シャン・チーは正統派なヒーロー像でありがなら、

仕事や休息よりも女友達とのカラオケを優先させちゃう現代っ子な感じも凄く良い。

 

サブキャラクター達も魅力たっぷり

陽気な女友達のケイティ、

少しすれた感じに育った妹のシャーリン、

父親の部下のレザー・フィスト等、

周りのキャラクター達も魅力たっぷりで「もっとこいつらの活躍を見たい!」

と思えた。

 

父親やその部下の暗殺者デス・ディーラーも、

今回で退場するのは勿体ない魅力を持っていた。

 

ブラック・ウィドウでも同じ事を言ったが、

MCUはキャラクターの描き方が本当に上手い。

 

ただ、母親の故郷であるター・ローの村については、個人的にはちょっと微妙だった。

中盤まで割と現実に則した世界観だったのに、

村についてから急に完全ファンタジーになってしまうのでちょっとついていけなかった。

 

ラスボスが暴れまわるだけのでっかい邪悪なドラゴンというのは、

正直なところ、冷めてしまった。

 

しかし、この村も結構な戦力を抱えているので、

今後のMCUで重要な勢力になりそう。

 

これまでのシリーズからも多数登場

ウォン&アボミネーション

まず、妹のシャーリーンが経営していた地下闘技場で登場した、

ウォンとアボミネーション。

 

ウォンはご存じドクターストレンジの戦友。

 

アボミネーションはインクレディブル・ハルクで登場した、

エミル・ブロンスキーが未完成の超人結成で変貌した姿で、

かなり久々の再登場。

 

なぜこの二人があそこで戦っていたのかも謎だし、

試合後、二人仲良くどこかへワープしていたのも謎。

 

この辺りは、今後の作品で描かれる事になるだろう。

 

トレヴァー・スラッタリー

次に、テン・リングスに捕らえられていた老人、

トレヴァー・スラッタリー。

 

こいつはアイアンマン3ヴィランであるキリアンに利用され、

テン・リングスの首領を名乗っていた元舞台俳優の男。

 

アイアンマン3後投獄されていたが、

マイティ・ソー:ダークワールドのディスク版のおまけ映像にて、

本物のテン・リングスにさらわれた事が描かれていた。

 

アボミネーション同様かなり久々の登場で、

今作でも秘密の村へ導く幻獣と会話できるという結構重要な役割であった。

 

ちなみに、「テン・リングス」という組織自体は、

アイアンマン1でトニー・スタークを捕らえた組織として出てきていた。

 

しかしアイアンマン3を最後に出てくることがなかったので、

このシャン・チーで再登場するまで取っておかれた長い伏線となった。

 

ブルース・バナー&キャプテンマーベル

おまけ映像でウォンと共に登場。

 

テン・リングスの素材や製造時期について会話をしており、

バナーもキャプテンマーベルも「こんな素材見たことない」と語る。

 

シャン・チーの父親がテン・リングスを手に入れたのは1000年程前だが、

それよりも古そうだという事。

 

また、テン・リングスが誰かに何かのメッセージを発信しているらしく、

これも今後のシリーズで重要な要素になりそうだ。

(かなり古いアイテムとの事なので、エターナルズに関係してくるかも?)

 

ちなみに、バナーはハルクと融合した姿ではなく、

普通の人間の姿で出てきたので、

エンドゲーム後は基本的に人間の姿で暮らしている模様

 

テン・リングスは帰ってくる

エンドクレジット後、「テン・リングスは帰ってくる」とのメッセージが。

 

「シャン・チーは帰ってくる」ではないので、

シリーズの次作は妹のシャーリン率いるテン・リングスの物語になるかも?

 

シャン・チーは妹がテン・リングスを解体すると語っていたが、

シャーリンはそれに反してテン・リングスを自分好みの組織に作り替えて存続させているのが、

エンドクレジット後のおまけ映像で描写されていた。

 

ター・ローの村の戦士たちと同様、

テン・リングスも重要な組織になってきそうだ。

 

しかし、本作はアイアンマンシリーズとインクレディブル・ハルクからのネタがあるものの、

権利の関係でディズニープラスではアイアンマン1とインクレディブル・ハルクが見れないというのが、

かなり残念である……。

 

ディズニーは早くこの二作の権利を獲得して欲しい。