■総評
・本編の前日譚で単行本全1巻なので、この映画だけで完結しているのが良い
・原作通りでありつつ、戦闘シーンを盛りまくっている
・原作本編で出てきたキャラクターや設定も描写されていてニヤリと出来る
・超絶クオリティの作画
・ミゲル
あるべき「アニメ化」の姿
良い意味で予想通りの内容で、でも予想以上の満足度で最高だった。
内容はほぼ原作そのままだが、
アクションシーンが大量に追加されていて、
「映画館で観る作品」として素晴らしい出来栄え。
百鬼夜行では原作本編で出来た
ナナミン、冥冥、京都校の生徒たちといったキャラクターの見せ場も用意されていて、
原作を読んでいる人こそより楽しめるようになっている。
また、原作本編で出てきた設定、
「黒閃」やパンダのゴリラモード等も映画では描写されており、
これも原作ファンとしては嬉しい要素。
特に、刀が壊れた際に乙骨が夏油の顔面に拳を叩きこむシーンで、
黒閃が発動している演出がたまらなく格好良かった。
声優陣の熱演も最高で、
特に乙骨は
「おそらく作者も乙骨=緒方奈美恵で当て書きしてたんだろうな」
と思える程にハマり役であった。
原作を読んで知っているシーンでも、
アニメーションと声優の力で熱くなれるし、泣けた。
ミゲル
本作で一番株を上げたのは間違いなくミゲルだろう。
原作単行本でも「百鬼夜行MVPはミゲル」と作者が言っていた。
確かに、五条悟に「あいつは自分が相手をするしかない」と判断され、
時間稼ぎをして逃げ切ったというのは偉業だが、
原作では直接的な描写はほとんど無かった。
映画では五条悟vsミゲルのアクションシーンがガッツリ追加されたおかげで、
「ミゲルって本当に凄い奴だし頑張ってたんだな……」
と思えた。
ほぼ一方的に五条にボコられ続けて、
ジョジョのオラオララッシュなみに殴られまくってるシーンは思わず笑ってしまったが、
それを受けきって生きてる耐久力は間違いなく作品内でトップレベルだ。
気になる今後の展開
アニメ二期をやるとしたら、五条悟の過去編からになる。
そこだけで1クール使うかというと尺が余りそうだし、
かと言ってそれ以上やると渋谷事変に突入してしまうので中途半端。
(メカ丸vs真人までやって終了、もキリが悪い。)
今回の劇場版は乙骨が主人公でありつつ、
五条と夏油の二人が重要な話でもあったので、
個人的には五条の過去編も劇場版で作って欲しいなと思う。
こちらも単行本で1巻とちょっとくらいの量だし、
過去編だけで話が成り立っているので映画化しやすいと思う。
何より、五条悟vs伏黒甚爾の超絶バトルを劇場版クオリティで映画館で観たい!
また、エンドクレジット後のオマケ映像では、
乙骨とミゲルが海外で食事をしているシーンが流れた。
乙骨は本作~本編の間で何が有ったか・何をしていたか不明な点が多いので、
それを作者監修の下でアニメ化するのも面白そうだなと思った。
余談:King Gnuの曲が滅茶苦茶良かった
今までKing Gnuの曲はちゃんと聞いたことが無く、
一番有名であろう白日はそこまで好きじゃないなーと思っていた。
が、今作の主題歌の「一途」が、最高にロックンロールな曲で凄く気に入った。
もう滅茶苦茶最高に格好良くて、映画館を出てすぐにappleMusicで聞いた。
エンディング局の「逆夢」も映画の内容にピッタリな歌詞と雰囲気の曲で良かったし、
この二曲を映画館の音響で聞けただけでも、
お金を払って映画館に行って良かったと思えた程だ。