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【ゲーム感想・解説】HALO INFINITE【ネタばれ有】

■総評(GOOD)

・単純に撃ったり跳んだり殴ったりするのが凄く楽しい

オープンワールドで自由に動き回れるのが良い

・魅力的な仲間キャラクター

 

■総評(BAD)

・本作だけでストーリーがまとまっておらず、中途半端

・敵キャラクターに魅力が無い

オープンワールドなのは良いが、ロケーションが単調

 

今更ながらキャンペーンモードをクリアしたので、感想記事を作成。

 

オンラインに関しての評価も。

 

 

HALOらしさが返って来た

正直に言ってしまえば、ゲーム自体に目新しさはあまり無い。

ただ、だからこそ「HALO」らしさを堪能出来て、満足できた。

 

元々初代HALOも区切られた箱庭を行き来する感じで、

ある程度のオープンワールド性を備えていた。

当時としては広いマップを探索・自分なりの攻略ルートを考えるのが楽しかった。

 

それが今回は完全なオープンワールドにパワーアップ。

HALOらしさをそのままにスケールアップしたゲーム性のバランスが良い。

 

ちなみにXboxOneXで遊んでいるが、グラフィックは十分に綺麗で基本的には動作も快適。

ただ、死んでリトライする事が多いゲームなので、OneXだとロード時間はちょっと気になる。

XboxSX相当で動作するXboxCloudで遊んだ所そちらではだいぶロードが早かったので、

手に入るならXboxSS/SX、もしくは高性能のゲーミングPCがベストだろう。

 

で。

何より重要なのが「マスターチーフを操作する楽しさ」である。

 

マスターチーフを操作してこそのHALO

HALO5では新主人公スパルタン・ロックが登場し、

こちらを操作する事がほとんどであった。

 

ロックがチーフを追う為にあちこち周ってクエストをこなしていく流れは、

RPG的でHALOとしては新鮮な要素ではあったが、

どうにも「遊び方を指示されている」感じがして窮屈だった。

 

それに、ロック自体はそれなりに魅力的な人物ではあったが、

やはり5は悪い意味で「マスターチーフを操作してこそのHALOだな」と強く思わされた。

 

今回は全編チーフで遊べるだけでなく、

コルタナのコピーである”武器(ウェポン)”と呼ばれるAIが登場し、

プレイ中にチーフと漫才コンビのようなやり取りを繰り広げてくれる。

 

この感覚が凄く懐かしくて、

チーフとコルタナのコンビがいかに大事だったか改めて思い出させてくれた。

 

また、もう一人の相棒として登場する、一般兵士の”エコー216”さんも良かった。

 

非常に一般的な感性を持っており、

チーフの異常なまでのヒーロー性にドン引きしたり怒ったりする様子が、

プレイヤーとチーフの橋渡しをしてくれる感じで微笑ましい。

 

爽快感抜群のゲーム性

オープンワールド性以外で今回新しいのは、やはりグラップリングの採用だろう。

 

色々なゲームで採用されているグラップリングだが、

HALOとの相性が予想以上に良くて、

この快適さと爽快感を覚えたら過去のシリーズを遊ぶはもう難しいかも、と思えた程。

 

オンライン対戦でも活用できて、

異動は勿論、他プレイヤーに向けて撃って一気に近づいて殴ったり、

オーバーシールド等のアイテムを少し離れた所から取るのにも使えて大変便利。

 

他、武器も色々増えており、

どれも一癖有りつつも有効に使うと強力な物が多いので、

状況に応じて適切な武器を運用するのが凄く楽しい。

 

エフェクトや音が凄く気持ち良いので、敵を倒した時の爽快感も抜群。

 

ただ、キャンペーンモードに関して言うと、

似たようなロケーションばかりで後半飽きてしまうのは残念だった。

 

オープンワールドとは言え、

似たような場所が無意味に存在するだけの箇所が多く、

もっとバリエーションと探索する意義を持たせて欲しかった。

 

ストーリーは不満点が多かった

ストーリーに関しては、色々と言いたい事が有る。

 

まず、バニッシュトが唐突に登場する事について。

HALO WARS2で登場した勢力なのだが、WARS2を遊んでいないので全然ピンとこなかった。

 

まあ、コヴナント軍の中でも好戦的な一派が独立した、

くらい把握していれば良いのでここは100歩譲って良いとしよう。

 

ただ、バニッシュトに全然魅力を感じないのがキツかった。

脳筋ブルート族が感情的に喚いて死亡フラグを積み重ねるばかりだし、

何を目的としているかも分からないままストーリーが進むので、

機械的にミッションをこなしていくだけになってしまう。

 

「ゼータヘイローは他のリングと違う、何か秘密が有る」

「バニッシュトはそれを解放しようとしているので、阻止する」

と言うのが話の大筋なのだが、この「リングの秘密」が結局分からないまま終わるのだ。

 

どうやらコルタナも一部バニッシュトと協力していたようだが、

その目的も不明なまま。

本来コルタナを消去する為に送り込まれた”武器”もコルタナ消去後に自らも消えるはずだったが、

コルタナが何らかの理由で”武器”の消去を辞めさせてチーフに託したらしい。

 

今回復活しラスボスとなる「ハービンガー」もどういう存在なのかイマイチ分からないのだが、

ハービンガー曰く「エンドレス」が目覚めるらしい。

 

そのエンドレスが何者で何を目的としているかも不明。

なので、バニッシュトがなぜエンドレスを目覚めさせようとしているのかも不明。

 

何もかもが不明なまま話が進み、なんら明かされないまま終わるので、

「一体自分は何のために戦ってたんだ?」という気持ちだけが残ってしまう。

 

DLCか続編かで語られる事になると思われるが、

本作では大量の謎を提示しただけでなにも解決しないままなのは酷い。

(ちなみに、エンドレスが解放されると思われる映像がエンディングで流れる。)

 

キャラクター間のドラマ性は良い

とは言え、コルタナが

「チーフとコルタナ、お互いの欠点を補いあう為に二人はコンビを組んだ」

という事を思い出し、

「自分だけで世界をなんとかしようと動いたのは過ちだった」

と認める最後の流れは凄く良かった。

 

先にも言ったが、一般兵である”エコー216”とチーフの関係性も見ていて楽しく、

最後の最後で名前を教えるのはベタな演出では有るが面白かった。

 

しかし、コルタナはUNSC本部もバニッシュトの母性も破壊していた事が判明したので、

ほんと今後のストーリーどうするつもりなんだ?と思う。

被害規模が大き過ぎである。

 

 

オンラインについて

基本的には凄く面白い。

単純に撃ちあうのが楽しいし、多彩なルールが有る幅の広さはHALOならでは。

 

基本プレイ無料なので、FPSが好きで遊べる環境にある人はぜひプレイしてみて欲しい。

 

※※※以下は、2022年1月時点での感想です※※※

 

しかし、チャレンジシステムが非常に苦痛。

 

アサルトライフルで○体倒せ」といった武器指定でのキルや、

「背後からの殴打で○体倒せ」「アシストを○回」という倒し方の指定、

「○○ルールで何勝」といったルール指定等が多数有る。

 

目的となる武器が初期装備でない場合まずそれを確保するのが大変だし、

確保したうえで指定数倒すとなると中々に厳しい。

 

例えばマングラーという武器は殴り攻撃力アップの効果が有るので、

「一発撃って当てる」→「近づいて殴る」のコンボが強力なのだが、

マングラーで○体倒せ」となると殴りが封印されてしまう。

マングラーは反動が非常に大きいので、連発して当てるのが難しい。)

 

そもそもHALOは次々に武器を入れ替えながら戦うゲームなので、

武器や倒し方を指定されると「縛りプレイ」となってしまい、

チャレンジ達成のためにわざと勝ち筋を逃すプレイをする必要が出てくるので、

非常にストレスが溜まる。

 

ルール指定に関しては、基本的に選ばれるルールがランダムになるので、

目的と異なるルールになると「もう途中退出しようかな」と思ってしまう。

 

”チームで復活数を共有し、復活数が無くなると仲間を蘇生出来る。”

というルールで「仲間を○回蘇生」というチャレンジも有るのだが、

そうなると

「相手チームを圧倒する状況が続いたら

わざと死にまくって自チームの復活数を無くさないと、

蘇生の機会が生まれずチャレンジ達成出来ないな」

という考えまでしてしまう。

 

というように、ゲーム性とチャレンジシステムが致命的に噛み合っていない。

 

チャレンジは無視して好きに遊べば良いじゃんとも思うのだが、

しかしチャレンジを達成して経験値を得てランクアップしないと、

様々なアイテムを手に入れられないのだ。

 

一応、チャレンジはアイテムを使用して別のチャレンジに変更できるが、

このアイテムが無料でもらえる数には限りが有り、

無くなると有料で買うしかないのも凶悪な仕様。

 

自分で言うのもなんだが、

HALO経験が長くある程度の腕前は有るので、

自分自身は頑張ればチャレンジ達成出来る。

 

しかし、HALO未経験者や、FPS未経験者ともなると、

今用意されているチャレンジをクリアするのは絶望的に難易度が高いだろう。

 

一応、期間限定では無いチャレンジに関しては、

ただプレイするだけで経験値を貰える救済措置は有るが、

それだけでは不十分。

 

縛りプレイになるようなチャレンジの廃止、救済措置の用意等、

しっかり改善して貰わないとこのゲームを長く遊ぶ気にはなれない。

 

ゲーム自体は非常に良い出来なだけに、

このチャレンジシステムが台無しにしているのが非常に残念。

 

開発チームはこれらの問題を把握しており、

今後改善していくと表明はしているが、どうなる事か……。