■総評(GOOD)
・コメディ要素とシリアス要素のバランスが良い
・キャラクターが魅力的
・予想のつかない展開で、かつ、しっかり伏線が張られている
■総評(BAD)
・間延びしたシーンが多く感じられ見ていてちょっとダルい
・BGMがイマイチで興が削がれる
・主人公の不愉快さが許容範囲外だと見るのがしんどそう
「パラサイト」の原型
アカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト」のポン・ジュノ監督が初めて作った長編映画である本作。
ポン・ジュノ監督作品はだいたい見ていたがこの作品は未見で、
「重い作風とエンタメ重視の作風が有って、パラサイトはその両方のバランスが最高」
と思った。
そして、本作も、同じ感想だった。
暗くて重い内容だけれど、絶妙に軽い雰囲気で楽しんで観る事が出来る。
登場人物がみな魅力的で、かつ、それぞれが意味のある存在で、
全く予想のつかない展開が続き、
結末に向かって収束していく感じがとても気持ち良かった。
荒削りな部分は多い
ただ、初監督作品なので無駄に長く感じられるシーンが有ったり、
BGMが良くなかったりと荒削りな部分は多かった。
それと、主人公の言動は、中々に不愉快な所が多い。
ここを受け入れられず作品全体に嫌なイメージを持ってしまうと、
だいぶ否定的な感想になってしまうかな?と思う。
(正確に言うと、男主人公と女主人公のダブル主人公という感じで、男側が不愉快。)
その辺り、やはり「パラサイト」と比べるとバランスが悪いなと感じる。
とは言え「パラサイト」はあまりに完成度が高すぎるので、比べても仕方ない。
初監督作品でここまで面白い映画を作っていた事が凄い。
初監督作品で既に「パラサイト」の原型を作っており、
その後は「暗くて重い作品」と「エンタメ重視の作品」両方を経験した事で、
より洗練された結果、アカデミー賞作品賞を取るに至ったのだと思う。
「パラサイト」を観る前でも観た後にでもオススメの作品。