■総評(GOOD)
・ウサギ版グランド・セフト・オートな内容
・前作同様、個性的なキャラクターとハチャメチャな展開で楽しませてくれる
・ウサギと人間、それぞれのドラマが絡み合ったストーリーが面白い
・ハリウッド映画を馬鹿にしながら、ハリウッド映画な展開で楽しませてくれる天邪鬼っぷり
■総評(BAD)
・前作に比べ、音楽がイマイチ
・新キャラクターの存在感が薄い
ウサギ達のグランド・セフト・オート
前作はウサギ達による「仁義なき戦い」と言えるような内容だったが、
今回はウサギ達による「グランド・セフト・オート」だった。
好き放題犯罪が出来ちゃう、過去に色々な議論を巻き起こした過激なゲーム。
本作はピーターを中心にした動物達のストーリーと、
トーマス&ビアのマグレガー夫妻のストーリー、二つが展開される。
まずピーター達の話。
都会に出たピーターはかつて父親の友人だったというバーナバスと出会う。
このバーナバスが泥棒の動物集団のリーダーで、
今の生活に嫌気がさしていたピーター
(と、それに付き合わされた動物達)は協力する事になる。
一方、マグレガー夫妻は、
ビアが描いた絵本(ピーターラビット)が出版社の目に止まり、
大々的に売り出される事になる。
しかし商業主義の出版社の意見に染まってしまうビアと、
ビアらしさを尊重したいトーマスとの間で溝が生まれてしまう。
この一見関係ない二つのストーリーがちゃんと交わりあい、
カタルシスを生んでくれる展開が最高に面白かった。
過度な商業主義やコテコテのハリウッド映画を思い切り馬鹿にしつつ、
そういった要素を活かして面白い映画にしている天邪鬼っぷりが特徴的。
魅力的なキャラクター達
前作同様、ピーター率いるウサギ集団、その周辺にいる動物達、
そしてマグレガー夫妻が本当に魅力的。
動物達に酷い目にあわされるトーマスが可哀そうなのだが、
もはや彼の悲鳴を聞くのがクセになってしまう。
ビアの絵本に目を付けた出版社の社長も個性的で、
社長とトーマスのやり取りも凄く面白かった。
ただ、その点では、
新キャラクターであるバーナバス率いる泥棒動物集団はちょっと印象が薄かった。
正直、バーナバス以外はあまり覚えていない。
ピーター達のストーリーを回すための舞台装置という感じで、
「またバーナバス達を見たい!」とは思えなかったのが残念。
あと、前作は音楽の使い方が本当に効果的で良かったが、
今回は音楽はあまり印象に残らなかった。
(それでもセンスが良い選曲で楽しめはしたが。)
全体的には、超大満足の面白さ。
皮肉たっぷり、アクションたっぷり、ギャグも道徳要素もしっかり有って、
時代を問わず、老若男女誰でも楽しめる傑作だと思う。