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映画の感想・解説やゲームの話

【映画感想】クルエラ【ネタばれ有り】

■総評

・スタイリッシュでアナーキーな世界観

・パンク、ロックな楽曲が最高に格好良い

エマ・ストーン演じるクルエラ(エステラ)が超魅力的

・本作の敵役であるバロネスが本当に嫌な奴で、敵として魅力的

・他、サブキャラクター達も個性豊かで魅力的

・犬も大活躍するので、犬映画としても良い

・王道では有るが、二転三転して飽きさせないストーリー展開

 

 

スタイリッシュでアナーキーでパンクでロック!

めっっっっっっっっっちゃくちゃ面白かった。

 

現時点で2021年に見た映画でぶっちぎりの1位!

(今年はまだ見た本数が少ないというのも有るけれど。)

 

101(101匹わんちゃん)に出てくる敵役であるクルエラ誕生のお話で、

ディズニーヴィランを主人公にしたシリーズ(?)の一つ。

 

まず、この映画で最も特徴的だと思ったのが音楽。

(たぶん)19070年前後のパンク、ロックを中心にした楽曲が、

非常に効果的に使われていて最高に盛り上げてくれる。

 

全体的な美術もストーリーもアナーキーでスタイリッシュでパンクでロックで、

クルエラのぶっ飛んだ性格・行動に完璧にハマっていた。

 

魅力的な人々と犬

超個性的で、通常の倫理観からは外れた世界で生きるクルエラが凄く魅力的だったが、

本名であるエステラとの対比もこの映画のポイントだったと思う。

 

エステラは自身の勝手な行動のせいで母親が死んだと思いこんだ事で、

白黒の特徴的な髪を隠し、

本来の自分の性格を押し殺しながらもデザイナーとしての夢を追いかける。

 

そんな中、師事していたバロネスが母親を殺したと判明。

そこから「クルエラ」として大暴れする姿が痛快で、

でも「エステラ」としての葛藤も有り、という構図が面白かった。

 

で、本作の敵であるバロネス。

こいつが本当に嫌な奴で、この世の悪意を煮詰めたような本物の悪党。

敵が敵として魅力的なので、

主人公であるクルエラ(エステラ)の魅力も更に際立ち、

主人公に感情移入して作品を楽しむ事が出来た。

 

他の個性的なサブキャラクター達もみんな魅力的だし、

101の前日譚という事で、犬もしっかり活躍してくれる。

 

本作ではちょっと小汚い犬達が主人公側で、

ダルメシアンが敵側の犬という構図も良かった。

 

王道ながら飽きさせないストーリー

ストーリーも本当に良かった。

 

母親を殺した相手に復讐するというストーリー自体はシンプル。

ただ、

 

・師事したバロネスが母親の仇だという事を最初は主人公が知らなかった

・上記事実を知ってから、復讐開始

・そんな中、実はバロネスが主人公の実の母親である事が判明

 

と、シンプルなストーリーをちょっとだけ複雑に組み替える事で、

展開が二転三転し、

134分と長めの作品ながら最初から最後まで飽きずに見る事が出来た。

 

バロネスが母親の仇だと最初から分かった状態で潜入していたら、

「師匠であるバロネスに認められた」

「でも母親の仇である以上、このままではいられない」

という葛藤が生まれず展開が単調になっていたと思う。

 

さらにそこに「バロネスが本当の母親」という事実が判明する事で、

「あれだけ嫌ってきたバロネスの血を受け継いでいる」

「育ての母を殺した相手とは言え、実の母親を相手に戦わなければならない」

という新たな葛藤も生まれ、見ていて本当にハラハラドキドキした。

 

ちなみに、僕は101はむかーし見てあまり内容を覚えてない状態で見に行ったものの、

それでも十分に楽しむことが出来た。

 

ラストで送られた二匹のダルメシアンが101に繋がるんだな、

という事は分かったので、また今度101を見直したい。

(そしたら、またこの記事を更新するかも。)