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映画の感想・解説やゲームの話

【ゲーム感想】バイオハザード8(ヴィレッジ)【ネタばれ有り】

■総評(GOOD)

・バイオにしてはストーリーが良い

・主人公が魅力的

・アクションとホラー要素、両方を楽しめる

・操作性が良く、ストレスフリー

・様々な舞台、演出で飽きずに最後まで楽しめる

 

■総評(BAD)

・ボス戦がワンパターンで退屈

・ボスの設定がぶっ飛びすぎててイマイチ乗り切れない

・武器のカスタム要素が浅い

 

※オンライン対戦のリバースと、クリア後に遊べるマーセナリーズは未プレイ。

 

 

 

ストーリーの良さ

バイオにしては、というかもっと言えばカプコン作品にしては珍しく、

ストーリーが凄く良かった。

 

前作7と本作で前後編といった内容なので7をプレイしている事が大前提ではあるが、

それだけに主人公であるイーサンへの思い入れが強いので、

自分でプレイするゲームだからこそ味わえる面白さが有った。

 

イーサンの異常な耐久力は7の頃からネタになっていたが、

なんと「7の冒頭でジャック・ベイカーに殴り殺されていた」事が判明する。

 

それ以降のイーサンは全身菌人間で、生きながらに死んでいる状態だった。

(どうやら、妻であるミアはそれを知りながら、夫婦として過ごしていた模様。)

 

イーサンは菌に完全な耐性を持った菌人間で、

ミアも菌に耐性が有り、

その二人から生まれたローズは生まれ流れにして完璧な「生物兵器」。

 

そして、7のラスボスであるエヴリンを超える能力を持ったローズを利用して、

今作のラスボスミランダは自身の死んだ娘を復活させようとしていた。

 

主人公イーサンの目的は娘を助ける事であり、

(方法はどうあれ)ミランダも娘の復活が目的だったので、

この対比がストーリーとして凄く良かった。

 

バイオはそもそもが「特殊部隊の主人公」から始まったゲーム。

2では新米警官や女子大生だったレオンやクレアもエリート戦士になったので、

主人公とプレイヤーの共感という要素はほとんど無かった。

 

が、7と本作は「家族」「親子」といった要素がメインなので、

共感しやすくてストーリーを楽しめたのかな、と思う。

 

ミアは全部知っていたならイーサンとの子供を産むのは止めておけよとか、

クリスももっとちゃんとイーサンと情報共有しておけよとか、

色々突っ込みどころは有るが……。

 

あと、イーサンは最後に肉体の限界が来た?事も有り村ごと自爆したが、

あんまりにもかわいそうなのでもうちょっと救いが有っても良かったのでは。

 

ただ、エンディングで成長したローズの元に誰かが近寄っており、

それがイーサンなのでは?とも考えられる。

 

生きていたら生きていたでまた酷い目にあわされそうなので、

安らかに眠って欲しいな……とも思ってしまうので複雑な所。

 

ゲームとしての面白さ

アクションゲームの老舗であるカプコンだけに、ゲーム性が凄く良かった。

操作性が良く引っかかりを覚える事は無く、

単純に「操作性して気持ちよくて、面白い」というのが凄く重要。

 

7よりもアクション寄りになった事は賛否両論だと思うが、

それでも限りある弾薬の管理や、

武器のカスタマイズに使う資金の管理といったサバイバル要素もしっかりしていて、

バイオハザードらしさはしっかり有ったと思う。

 

ただ、個人的には、初見でもノーマルだと簡単すぎたので、

それなりに腕前に自身が有るゲーマーなら最初からハードが良いかな?

と思ってしまったが。

(即死トラップ系以外で死んだ事はほぼ無かった。)

 

あと、人形館のステージはシリーズでも屈指の恐怖体験を出来るのが最高だった。

終盤でクリスを操作するシーンでは大量の銃弾で敵を蹴散らす快感も有り、

ステージごとに異なった面白さを楽しめるバランスが良い。

 

ボス戦は退屈

ボス戦は派手な演出とは裏腹に、

逃げ回りながら弱点をペチペチ攻撃する繰り返しばかりなので、

正直言ってつまらなかった。

 

巨大ロボとなったハイゼンベルク戦は余りにもやりすぎで一周回って面白かったが、

とは言えゲーム性としては大味過ぎてイマイチだった。

 

ラスボス戦も、ド派手な攻撃をしてくる割に、

やっぱりこちらはチマチマ弱点を攻撃するだけなので微妙。

 

この辺りは、カプコンの悪い癖が炸裂していたなあと思う。

 

武器カスタマイズ要素は浅い

武器の種類はそれなりにあるが、

結局は

「それなりに強化が進んだ所で上位互換の武器が開放されるので、それに買い替える」

だけなので、

作業感が強く「この要素必要だった?」と感じてしまった。

 

せっかくカスタマイズしてもどんどん上位の武器へ切り替えてしまうので、

特に愛着がわく事もないのでちょっと残念。

 

武器を強化してもそれに応じて敵も強くなっているので、達成感もあまり無い。

ついでに言うと、食事での体力や防御力強化も、いまいち実感がない。

 

ただ、回復薬や弾薬をアイテム合成出来るシステムは良かった。

限りあるリソースでどのアイテムを作るのか考えるのが楽しい。

(とはいえ、これもノーマルだとごり押しで結構何とかなってしまったが。)

 

粗い部分も目立つが

全体としては、良い箇所と悪い箇所両方がハッキリ目立つので、

ゲームとしての完成度の高さは7の方が上かもしれない。

 

が、7も7で発売当初はボリューム不足でDLCを含めて完成したという感じだし、

今作の方がより強く魅力を感じる部分も有る。

 

個人的には、今作はシリーズで1,2を争うほど楽しめたと感じた。

 

7と本作で主人公を務めたイーサンが魅力的なキャラクターであっただけに、

次回作は難しそうだなと思う。