■総評(GOOD)
・スター・ウォーズのような壮大な世界観とストーリー
・ダークな展開では有るが、アントマンらしさもしっかり有る
・見ごたえのあるアクション
・敵味方ともに魅力的なキャラクター達
■総評(BAD)
・量子世界が舞台なので、アントマンお馴染みのスコットの友人が不在
・MCU次回作以降への繋ぎ、という感じが強い
壮大でダークで、でもアントマン
「スターウォーズで見たかったのは、こういうのだよ!」
という感想が最初に来てしまった。
全く異なる生態や文化を持つ量子世界の住人達。
カーンが築いた悪の帝国と、それに抵抗するレジスタンス達。
ひょんな事からその戦いに参戦することになったアントマン御一行。
非常にスターウォーズっぽい作品で、
さらに言えばSWエピソード7~9よりもちゃんとスターウォーズをしている。
でも、しっかりアントマンらしい「家族愛」「軽いノリ」も健在。
「あらゆる可能性のアントマン」が大量に出現してそれぞれが勝手に動きだすが、
「娘のために」と気持ちが一つになり全員が協力するシーンは最高に熱かった。
また、そのシーンが蟻の群体っぽいのも良い。
娘の前で不倫の暴露をしあうピム夫妻や、
「俺ってとんでもない事をしたのでは……?まぁいっか、たぶん大丈夫!」
と軽いノリで終わらせるスコット。
全体的にダークな展開では有るが、
アントマンらしい「緩さ」がバランスよく作用して楽しく見ることが出来た。
個人的には、
家族と仲良く過ごして角が取れたハンク・ピムが凄く魅力的なジジイになっているのが一番良かった。
アントマン1のヴィランだったダロン(イエロージャケット)がモードックとして再登場し、
異様な存在感を発揮して活躍しているのも良かった。
モードックを今作で退場させたのは勿体ないと思うくらい魅力的だったが、
扱い難しそうなキャラなので死なせたのも仕方ないか……。
征服者カーン
今後のMCUで最大のヴィランとなる予定のカーンが本格的に登場。
サノスと比べると人間らしさが有り、
それでいて超越した思考と行動力を持ち合わせており、かなり魅力的に思えた。
ただ、「もっと驚異的な存在として描いて欲しかった」とも感じる。
・量子世界に閉じ込められて弱体化している
・超進化した蟻軍団がチート過ぎる
といった要素が有ったので本来のカーンの力ではなかったとは思うが、
にしても、サノス以上のヴィランとして、もっと余裕を見せても良かったのでは?
ちょっと肩透かしをくらった印象なのは否めない。
今回はカーンの恐ろしさの片鱗を描いただけで、
「次回作以降に続く!」という要素が強いのは、アントマンという作風にはマイナス要因。
エンドクレジット後の映像でもロキとメビウスが出てきていたので、
ロキのシーズン2が結構重要になってきそうだ。
でも「戦いは数の多いほうが有利」を蟻軍団で示したあとに、
カーン大会議で無数のカーンを出してくる演出は最高だった。
妙にテンション高くてウホウホしてるカーン達が面白すぎる。
「この話アントマンでやる必要有ったか?」という気もするが、
しかし時間軸から切り離された完全に別世界の量子世界でカーンを本格的に登場させる、
という点でアントマンがちょうど良かったのは理解できた。
スコットが「俺が世界を救った!」というのが茶化されて描かれているが、
実際、スコットが居なければエンドゲームでタイムトラベルする展開にはならなかったので、
今後のMCUでもスコット(アントマン)が大活躍するのを期待したい。