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【感想】攻殻機動隊SAC2045(1~3話)【ネタバレ無し】 - 椅子と椅子の間から観る
4~7話の感想はこちら
【感想】攻殻機動隊SAC2045(4~7話)【ややネタバレあり】 - 椅子と椅子の間から観る
今回は8~12話(シーズン1最終話)までの感想。
今回もネタバレに当たるような若干踏み込んだ内容を書くので、
まっさらな気持ちで視聴したい人は注意。
展開の遅さが気になる
まず、結論から言うと、配信された12話までで話がまとまる事はない。
むしろ、ようやく話が本筋に入って本格的に面白くなってきた!という所で終わる。
前回の記事(4~7話)で
「ここから本格的にSAC2045という作品が始まりそうだ。」
と書いたが、
実際には9話でようやく公安9課が正式に再始動。
10~12話でポスト・ヒューマンの中でも最重要になりそうな人物について描かれ、
とある重要な動きを見せた所でファーストシーズンが終了。
「ここで終わりかよ!これでシーズン2がいつになるかも分からないって酷すぎるよ!」
というのが正直な感想。
前回の記事でも書いたが、とにかく展開が遅い。
以前のSACはもっと多い情報量をうまく詰め込んでスピーディに話を進ませつつ、
1話完結の単独エピソードも盛り込んでいた。
それが今回は、9話かけてようやく話のスタートラインに到着した、という感じ。
面白いには面白いし、先の展開が気になるのは間違いないが、
もっと上手くやれただろ……と思う。
新型コロナの影響でアニメ業界も制作遅延が激しいようなので、
それも相まって先の見通しが立っていないのが非常にモヤモヤとする。
とは言え、すごく楽しめているのは間違いない。
シーズン2を早く配信して欲しいと願うばかりだ。
インターネットでの炎上騒動のSAC版
SACシリーズは現実に起きた事件や社会問題を攻殻機動隊の世界観に持ち込むが、
今回は最近社会問題になっている「炎上騒動」がキーポイントになっていると思う。
身勝手な正義感で、匿名の集団が特定の対象を徹底的に叩く。
これがデジタル化が更に進んだ攻殻機動隊の世界で起こったら?というお話。
タイトルにもなっている
「スタンド・アローン・コンプレックス」=
「独立した個人が結果的に集団的総意に基づいた行動をする」
という概念は攻殻機動隊SACが先取りして、実際に現実が追いついたという感覚が有った。
そこから派生した「インターネット上で発生する炎上騒動」が
現実で社会的な問題となり、攻殻機動隊SACがそこをネタにした、
という構図だと思う。
気になった要素について
重要キャラクターであるシマムラ・タカシの学校でのエピソード。
すっごくペルソナ5っぽいお話で、
シマムラ・タカシの容姿もペルソナ3の主人公(通称キタロー)に酷似している。
(なんとなく制服のデザインも似ているし、かなり意識していると感じる)
これは意識されて作られたペルソナシリーズへのオマージュなのでは?と思う。
また、重要なアイテムとして小説「1984」が登場している。
SAC1では「ライ麦畑でつかまえて」が重要な要素になっていたので、
これは攻殻機動隊SACシリーズのセルフオマージュだと感じた。
以前はタチコマ主役のエピソードでは「アルジャーノンに花束を」が出ていたりと、
SF小説を用いたネタを度々用意しているのが面白い。
あと、これはすっごく個人的な意見だけど、新キャラクターのプリンがうざったい。
このキャラ要る?
原作漫画ならプリンみたいなキャラクターが居ても違和感ないと思うけれど、
SACシリーズの雰囲気に全く合っていなくて違和感が半端ない……。