■総評（GOOD)
・良い意味で予想を裏切る展開の連続
・見ごたえ抜群の映像表現
■総評（BAD)
・マルチバース要素は今後への布石程度といった感じで、良くも悪くも思っていたよりは規模が小さい話
ストレンジvsスカーレット・ウィッチ
本作は予告編を見てもどんなストーリーかほとんど分からず、
ついにマルチバースが本格的に開放される事が読めるくらいであった。
個人的には以下のような流れを予想していた。
ちょんまげストレンジやゾンビストレンジと敵対。
ストレンジとワンダで協力して撃退するも、
ワンダがマルチバースの魅力に取り憑かれて敵対する事になり終わり。
……が、実際には思いっきりスカーレット・ウィッチがメインのヴィランであった。
マルチバースを渡る能力を持つにアメリカ・チャベスを追い回し、
アメリカを助けたストレンジと敵対。
マルチバースを股にかけた「ストレンジvsスカーレット・ウィッチ」が
本作の大きな流れになるのはかなり意外だった。
ワンダビジョン完結編
というわけで、今回はワンダビジョンからの繋がりが強い。
ワンダビジョンを見ていなくても楽しめるとは思うが、
ワンダが息子たちに向ける暗い情熱の強さを理解するには、
ワンダビジョンを見ているかどうかで印象が大きく変わると思う。
ワンダは戦争で両親を失い、
エイジ・オブ・ウルトロンで弟を失い、
インフィニティ・ウォーで恋人を失い、
ワンダビジョンでは幻想上の息子達すら失った。
完全に精神の均衡が崩れており、
さらに禁断の魔術に手を出しているので全く手がつけられない暴走状態。
エンドゲームの時点でサノスと同等かそれ以上のパワーを持っていたので、
単体ではまさに最強と言える実力になっていたように思える。
イルミナティのメンバーたち
さて、今回はマルチバースが完全解禁されるという事で、
様々なキャラクターの登場が予想されていた。
結果的に出てきたのは、
別の宇宙で別のストレンジが結成したチーム「イルミナティ」の以下メンバー。
プロフェッサーX（X-MEN）
キャプテン・カーター
キャプテン・マーベル（マリアver）
ミスター・ファンタスティック
これに加えて、ストレンジ一作目に出てきて敵対することになったモルド。
※追記：
ブラックボルト（インヒューマンズ）を書き忘れていました。
しかしプロフェッサーXはあくまで単体での登場であり、
X-MENやミュータントといった名前は出てこなかった。
そしてこのメンバー全員がスカーレット・ウィッチに瞬殺されてしまったので、
あくまで
「今後マルチバースを利用して様々なキャラクターが出てきますよ」
というのを示唆する程度の役割であったと思う。
先に述べたように、
基本的には「ストレンジvsスカーレット・ウィッチ」が話の軸であり、
ストレンジ2でありつつワンダビジョン完結編、という内容。
なのでマルチバースの壮大な展開を期待しているとちょっと肩透かしだが、
とは言えマルチバースを行き来しながら戦うストーリーは見ごたえ抜群。
サム・ライミらしい演出の数々
本作はかなりホラーらしい演出が多く、
サム・ライミらしいケレン味たっぷりなセンスが爆発していて最高だった。
ミラー次元から帰還するスカーレット・ウィッチは貞子のようだったし、
別宇宙のワンダを乗っ取る際の演出も実にホラーで最高だった。
そして、ストレンジが埋葬しておいたちょんまげストレンジの死体を利用し、
ゾンビストレンジが起き上がるシーンはまさにゾンビ映画そのもので笑ってしまった。
かなり暗い展開が続く映画だが、
ホラーやコメディ要素も多いので暗い気持ちになり過ぎずに楽しむ事が出来た。
今後の展開は？
エンドクレジット中のオマケ映像で出てきた女性は、
ドルマムゥの姪であるクレアと思われる。
黒魔術の影響で第三の目が開眼したストレンジだが、
どうやら闇落ちした様子はなく、相変わらず世界を守るために戦う模様。
しかし、ストレンジ周りは話が圧倒的に壮大で、
出てくるキャラクターの強さも半端ないので今後のMCUにどう絡ませてくるのか。
マルチバースを渡る事が出来るアメリカ・チャベスが重要なキャラになるだろうが、
アイアンマンが何度も失敗してやらかしたようにストレンジが失態を繰り広げそうな予感がする。
ところで、ストレンジがノー・ウェイ・ホームでマルチバースが開いた事に言及していた。
ピーター・パーカーの事は忘れているが、スパイダーマンという存在は覚えている模様。
記憶が改変され、
正体不明のスパイダーマンとどうマルチバースに関わった事になっているのか？
気になる所だが、そこは恐らくスパイダーマンの次回作までお預けだろう。
