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映画の感想・解説やゲームの話

【映画感想】ブラック・ウィドウ【ネタばれ有り】

■総評(GOOD)

・魅力的なキャラクター達

(新キャラ達みんなの活躍をまた見たい!と思わせてくれる。)

・見ごたえたっぷりのアクション

・音楽の使い方も超最高

 

■総評(BAD)

MCU新フェーズ幕開けとしては内容が合っていない

 

 

 

あくまでブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)の映画

エンドゲーム(正確にはスパイダーマン:ファー・フロム・ホーム)

で一旦幕を閉じたマーベル・シネマティック・ユニバース

 

その新フェーズの第1弾となる映画がこのブラック・ウィドウ。

新型コロナの影響で延期に延期を重ねていたが、ようやく見れた!

 

が、期待していたほど、「MCU」として重要な映画ではなく、

良い意味でナターシャ・ロマノフの個人的な作品であった。

 

レッドルームと呼ばれる秘密組織の任務で、

過去に偽の家族と暮らしていたナターシャ。

 

レッドルームを潰す為にその偽の家族と再会し、

戦いの中で絆を再確認し、

ほんの一時期でも本物の家族であった事を認識する。

 

時間軸としては、キャプテンアメリカ:ウィンターソルジャー直後の話。

 

家族の絆を再確認したナターシャが、

今はバラバラになっているもう一つの家族であるアベンジャーズの為に、

どんな決断をする事になったのか。

 

エンドゲームを見た後だと、泣ける話だ。

 

ただ、やはり、

タイミングとしてはインフィニティ・ウォーの前か後で公開して欲しかった。

 

MCU再始動となる第一弾の映画が過去の話で、

他のシリーズとの繋がりがそこまで強くもないというのは、

新規ファンにも熱心なファンにも強く刺さらないのでは?と感じた。

 

超魅力的なキャラクター達と、見ごたえ抜群のアクション

とは言え、映画としては、滅茶苦茶面白かった。

 

他のスーパーヒーローの映画と比べると地味といえば地味だが、

ウィンター・ソルジャーのような骨太なアクションが目白押しで、

特にラストの落下しながらのバトルは大迫力で凄まじかった。

 

そして、何より良かったのが、新キャラクター達だ。

 

ナターシャの(偽の)妹、父、母が全員が凄く魅力的で、

特に妹であるエレーナは今後の活躍に期待大。

 

ポンコツっぽいけど地力はある父親と、

クレバーさと熟女な魅力のある母親も凄く良かった。

 

今回のメインヴィランであるタスクマスターも凄く格好良くて、

今後仲間になりそうな感じで生き残ったので、

こちらも今後の活躍が楽しみ。

 

また、ナターシャやエレーナと同様

レッドルームで育てられた他のウィドウ達も、

一大勢力として今後どうMCUに絡んでくるか興味深い。

 

公開のタイミングは疑問

しかし、やはりこの内容で、

エンドゲームで一旦終わったMCUの再始動の作品というのは、

どうしても疑問を感じてしまった。

 

良くも悪くもナターシャ・ロマノフの話であり、

エンドゲームで犠牲になる事を選んだナターシャの内面は丁寧に描かれていた。

 

となれば、この作品は、記事冒頭で書いた通り、

エンドゲームよりも前に公開すべきだったのでは?と思ってしまう。

 

もしくは、この作品をエンドゲーム後のMCU第1弾の最終作品とし、

スパイダーマン:ファー・フロム・フォームを再始動第一弾にするのが良かった、

と個人的には思う。

 

ただ、エンドクレジット後に妹のエレーナが、

ホークアイ(クリント・バートン)の暗殺依頼を受けていたので、

これが今後どう影響していくかでまた評価が変わっていくと思う。

(おそらく、ディズニープラスで公開予定のドラマ「ホークアイ」に繋がるだろう。)

 

ちなみに、エレーナに暗殺依頼をしたのは、

ファルコン&ウィンターソルジャーで

二代目キャップをはく奪されたジョン・ウォーカーをスカウトした女性、

ヴァレンティーナだ。

 

本来は公開順としてはブラックウィドウが先だったので、

ヴァレンティーナの初登場はこちらだったはずだ。

 

ヴァレンティーナはアベンジャーズ失格となったジョン・ウォーカーをスカウトしたり、

ホークアイ暗殺依頼をしている事からも、

アベンジャーズとは敵対しているか、少なくとも友好関係にはない勢力だと思われる。

 

今後は宇宙規模、いや多次元との戦いになりそうな状況で、

地球の勢力同士での争いも終わることはなさそうだ。