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映画の感想・解説やゲームの話

【映画感想】ワイルドスピード:ジェットブレイク【ネタバレ有り】

■総評(GOOD)

・ますますハチャメチャでド派手になっているアクション

・過去作から続く敵味方入り乱れた相関図の面白さ

・父親の死を発端にしたトレット兄弟の確執を描いたドラマは見応え有り

 

■総評(BAD)

・世界を巻き込んだ陰謀を解決する展開は荒くて突っ込みどころ満載

・過去作からの登場人物が多すぎて、一つの映画としてのまとまりは無い

 

 

いつもの頼むよ!

この映画に関しては、良い意味で、そう多く語る必要はないだろう。

 

お馴染みのファミリーが、お馴染みの敵達と、

奇想天外でハチャメチャでド派手なバトルを繰り広げる!

 

という、「いつもの」楽しさが満載。

 

今回も前作から引き続きサイファー(シャーリーズ・セロン)が敵であり、

その協力者としてドミニク・トレットの弟であるジェイコブ・トレット(ジョン・シナ)が登場。

 

その他、これでもかと過去作のキャラクターが次々と出てくるので、

正直「これ誰だっけ……。見覚えは有るけど……。」と何度も思ってしまった。

 

そういう点では、一つの映画としてのまとまりには欠ける。

 

が、長期連載の漫画のように、

シリーズのキャラクター達が出てきては活躍する姿を見てニヤニヤ出来る。

 

世界の危機を守るストーリーの流れは突っ込みどころ満載で非常に荒いが、

今回のメインであるトレット兄弟の確執はドラマ性が有ってよかった。

 

単純にジョン・シナが格好良いので、それだけでも見る価値がある。

 

ハンの復活、次作への布石

ハンはせっかく復活した割には出番がほとんどなく、

これはシリーズ最終作になるはずの次回作への振りかな?という感じだった。

 

ミッドクレジットシーンでデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)の前に

ハンが姿を現した所で今作は終了だったので、

そのあたりの確執は次回作か、もしくはスピンオフで描かれるのだろう。

(ハンはデッカード・ショウに殺されたはずだったが、

ミスターノーバディの協力で生き延びていた。)

 

今作は全体的に「次回作への繋ぎ」という印象が強い。

サイファーも逃げ延びたままだし、ミスターノーバディは行方不明のまま。

 

トレット兄弟の確執は解消したものの、なんとなく消化不良感漂う作品だった。

 

ブライアンは、生きている

シリーズで主役を務めていたブライアン役のポール・ウォーカーは、

スカイミッションの撮影中にプライベートの事故で死んでしまった。

 

その為今作では「一般人として生活している」という事で姿は見せないが、

ブライアンは家族を守っており、その間に妻であるミアが戦いに参戦。

(ミアはドミニクとジェイコブの妹なので、今回の兄弟喧嘩に不参加ではいられなかった。)

 

陰ながらファミリーを支えている、という設定にしているのが良い。

 

また、このシリーズは最後にパーティーを開くのが恒例だが、

そのパーティーに向かう青のGT-R(ブライアンの愛車)が映って終了、

という演出が最高だった。

 

車が重要な映画で、ブライアン=青のGT-Rなので、

ポール・ウォーカーがこの世を去っても映画の中でブライアンは生きている……

と感じられたのは、涙が出そうだった。